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【第18回】ラオス、カンボジア編

タイの周辺、メコン4ヵ国(カンボジア、ラオス、ミャンマー、ベトナム)現地で流行しているモノやコト、最近増えている、または注目の投資業種や案件、新制度の決定や施行とその実情などの政治経済トピックを、現地在住の専門家よりお届けするコラム。
第18回はラオスとカンボジアからのレポートです。

付加価値税で税収アップ!?

ラオスでは、日本の消費税に相当する税として、付加価値税(VAT)制度が2010年より導入されいますが、運用上はうまく適用できていません。ところが最近、ビエンチャン市内でコーヒーを買ったところ、いつもと違う領収書をもらいました。よく見てみると、領収書の裏面には税務局のロゴマーク、表側には、店の納税者番号(TIN)と購入者のTINが記入できるようになっていて、本体価格とは別にVATが記載されていました。これは、通常3枚複写式になっているタックスインボイス

※の簡易版のようです。

昨年頃からラオス政府は、特にビエンチャンの都市部の商店などでPOSシステムの導入を積極的に進めています。取引の都度、適正にVATを徴収することにより、税収入を増やすことを国家の目標としているわけです。

領収書にはラオス語で「この領収書は、国の発展に寄与したことの証となります」と書かれており、このインボイスが発行されるお店を選んで、商品やサービスを購入することを推奨しています。

※納税義務者が、商品・サービスの提供時に発行する税額票。


赤丸内がVAT


One Asia Lawyers ラオス事務所
内野里美
1979年生まれ、東京外国語大学ラオス語学科卒業。
2005年よりラオスにて日本のNGO、日本大使館勤務を経て2016年3月よりJBLメコンラオス事務所に常駐、現在に至る。
info@oneasia.legal
http://oneasia.legal/info

日本とカンボジア、双方の発展には日本語教育が不可欠

「ありがとうございます」「いただきます」。日本人には簡単な言葉ですが、カンボジア人の日本語学習者に言葉の意味合いを教えるというのは大変難しいものです。長期政権、親日国、ドル建て、安価な人件費、素直で前向きな国民性、インフラの発展、民主主義、様々な理由からカンボジアに進出する企業は増加傾向にあります。特に中小企業の場合は日本語人材の需要が非常に高く、良い人材は取り合いになるケースもあります。

現在カンボジアでは、常時5000名ほどの日本語学習者がいると言われています。その中で日本の文化、習慣、価値観、労働観などを教育している企業や学校は少ないです。例えば「いただきます」で言えば、人間は他の動植物の命をいただいて、毎日生かされているわけで、「いただきます」とは命を交換する時の感謝の言葉であるという、日本人的価値観に基づいて物事の本質を理解させることは重要です。カンボジア人は大変素直です。価値観を共有し、両国の発展に寄与できるリーダーを教育から育んで欲しいものです。


MATES GLOBAL COMMUNICATIONS CO., LTD.
代表取締役 柳内 学
1975年生まれ、城西大学経済学部卒業。2007年、カンボジアにNGOの職員として赴任し、日本語学校の設立運営に従事。2009年、教え子と共に同社を設立。
現在はカンボジア人向け情報誌の発行事業を主に他事業を分社化、経営を多角化している。カンボジア在住10年。
yanai@mateskh.com
https://chugapon.com
www.mateskh.com

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