不動産のプロ・GDM記事

オフィスのイニシャル/ランニングコストを削減する方法  内装でできる、コスト節約術


オフィス物件の需要と供給がともに増加しているバンコクとその近郊エリアでは、その賃料も年々上昇傾向にある。タイのオフィス環境を取り巻く基本情報を踏まえながら、オフィス設立や移転の機会に、内装施工からイニシャル/ランニングコストを節約する方法についてまとめた。

バンコクのオフィス物件事情

従来オフィスエリアとして栄えてきた、シーロムやアソークといったバンコク中心部の物件は賃貸料が高騰し続けている。バンコクの鉄道網の発展も後押しして、最近では地下鉄MRT沿線・ラマ9世通りエリアの「G Tower」や、スカイトレインBTS沿線・バンナー駅前の「Bhiraj Tower」など、バンコクとその近郊エリアで新たな大型オフィスビルが次々に建設されている。物件数自体は増えているが、オフィスや工場の内外装設計・施工を行うGDMタイランドの山本征史氏は、「供給量に対して需要はまだまだ増加傾向にあり、全体的にオフィス賃貸料も年々上昇傾向にあります」と説明する。

タイでのオフィス賃貸契約期間は3年が主流だ。ここ最近は、3年が経って契約更新をしようとした際に賃貸料の値上げを告げられ、引越しをする企業も増えてきている。
「最先端の設備を備えた新しいオフィスビルが近くに建つと、周りのビル・オーナーがその賃貸料に合わせて値上げをする流れがあるものと考えられます。賃貸料の安い、別のオフィス物件を探すとなると、それ相当に古い建物や駅から遠いといった物件になってしまいがちです」。

交通渋滞が激しく、雨期の長いタイでは、スムーズに移動できる駅近の物件が人気。タイ人社員の採用にも通勤の利便性は無関係とは言えない。好立地な物件ほど嵩む、賃貸料というランニングコストを節約する方法として紹介したいのが、イニシャルコスト(初期投資)の削減と、スペースの有効活用だ。

設計・施工から家具納品、アフターフォローまでの業者選定は慎重に

タイでオフィス内装を行う際、イニシャルコストを抑えようと考えれば、最も安いのはローカルの業者だ。ただし、数多あるローカルの内装施工業者の中から、本当に満足いく仕上がりが期待できるところはどこなのか、タイ語でコミニュケーションに支障はないか、納期は守られるかといった懸念材料をクリアにする必要があり、「発注したら、結果的に想定していた予算よりも高くなってしまった」、「思っていたのと違う仕上がりになった」というトラブルが発生する可能性があることも把握しておくべきだろう。

設計から施工、家具の比較検討まで、イメージの共有、品質、納期の面で安心なのは、やはり日系の内装施工業者だと言える。アフターフォローの面も含めると、結局は費用だけでなく時間の面でも日系がコスト安である場合も多い。


可動式の書類棚でより多くの書類を収納 (Rockworth提供画像)


会議室のレイアウトやスペースをアレンジできる可動式テーブル

スペースの有効活用が鍵

オフィスのレイアウト・設計や省スペース家具の導入などで、限られたオフィススペースを有効活用することが、中長期的なランニングコストの節約につながることもある。
タイでは一般的な外国法人(BOI企業など例外はある)は、「外国人1人に対し、タイ人4人を雇用しなければならない」というルールが法律で定められており、会社の事業内容や規模の拡大に伴う社員数の増加スピードが速い傾向にある。また税務書類については各社、紙での書類保管が義務付けられているため、進出から数年でオフィスが手狭になり、移転を強いられるケースも多い。

毎月発生するオフィス賃貸料というランニングコストを年単位で考えた場合、オフィス面積は最小限でありながら、快適に過ごせる省スペース設計は必要不可欠だ。
例えば、社員用の研修ルームと会議室の両方(計2部屋)を必要とする場合は、両機能を備えた多目的ルームを設置することで1部屋に抑えることができる。
また日中、外回りが多い営業担当者を多く抱えている企業であれば、一人一人にデスクを設置するのではなく、各社員の仕事状況によってコモンスペースで働く「フリーアドレス」のオフィスを設計することで、スペースを削減するといった方法も検討の余地があるだろう。

このほかにも、書類棚は可動式のもので保管量増加でスペース確保するなど、物件のスペックと企業スタイル、予算に合わせた設計施工により、高効率なオフィス空間が実現できる。かゆいところに手が届くのも、やはり日系の業者なのである。

GDM施工一例

スペース効率の良いフリーアドレスは社員の気分転換にも

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お問い合わせ先:
GDM (Thailand) Co., Ltd.
088-572-4998 (山本) / seiji@gdm-asia.com
www.gdm-asia.com (タイ不動産情報)

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