中野陽介コラム

【需要対応経済】セノーテガイド青年たち (メキシコ/メリダ)

8 【需要対応経済】セノーテガイド青年たち
(メキシコ/メリダ)

メキシコでセノーテ(マヤ語で“ 聖なる泉”)に向かって車を運転していた道中、セノーテの写真を片手に「車止めて話聞いてアピール」が凄い青年たちが居た。
セノーテのガイドツアーをしているという。

確かにセノーテは、森の奥に入り細い道を進まないと辿り着けない場所に何ヶ所にも点在しているため、初心者には分かりづらい。

オススメのセノーテだけを激選し、道に迷わずに案内してもらえるというのは、当地を初めて訪れる観光客には助かるだろうし、実際そんな観光客が多いとも言っていた。

セノーテに近づいてくると、今度は自転車で車の前に付き先導してくれるサービスをする青年が出てきた。

道が分からないならその需要に応える。地理と自転車があれば青年でもできる需要対応経済。

青年時代に経済を作る経験(お客を見極める眼、接客の笑顔、会話のテンポ、値段交渉、不信感を払拭させる行動力など)は、「手に職」のように、大人になっても生きる経験として残るんだろうな、、なぜ私はそれをやってみなかったんだろう、なぜ私の周りの大人はそんな経験をさせてくれなかったんだろう、、そんなことを、自転車を必死に漕ぐ彼の背中を見て思った。


中野陽介

芸術家。1987年福岡生まれ。07年渡米、Los Angeles City College卒業。数々の映画制作に参加後、芸術に目覚める。12年 渡タイ、バンコクで芸術家とサラリーマンの2足のわらじ生活を送る。16年に1年間で22ヵ国を巡る世界一周旅を敢行。自作の「芸術入門サイト」(art-geijutsu.com)は10万アクセス突破。作品や活動記録は下記サイト参照。
yosukenakano.com

gototop