もう悩まない!人材採用&育成のコツを解説 Vol.24

タイで人材紹介業に携わり、丸10年が経ちました。その間、様々な方々のキャリア相談を承ってきました。その中で、個人の力がより求められるこれからの時代に生き残り、市場から求め続けられる人材に共通点が存在していることに気づきました。特に海外でキャリアを積む上で意識して頂きたいことは、①人としての在り方②思考③コミュニケーション。今回から3編に分けて解説していきます。

サバイバル人材の共通点(前編)

 まずは、サバイバル人材の「人としての在り方」についてです。私は20代前半で人材紹介業界に飛び込み、多くの管理職クラスの日本人駐在員とお仕事をさせていただきました。

 営業・製造畑の出身者がほとんどで、人事を経験されて海外赴任をされる方は稀でした。ただ、若年で女性の私をタイ人採用のプロとして丁寧に接してくださる方が多数でした。

 その中で、性別・年齢・立場を超え、海外でのビジネスや組織マネジメントで成功したリーダーの方々には共通点がありました。

 日本人にとってタイは恵まれた環境と言えます。タイ人から差別を受けることはなく、下手すれば日本語だけで生活ができる環境が整っています。ビジネスも同様に、日本人同士の取引の中で多くの仕事は完結します。

 残念ながら、タイ人スタッフに重要な仕事は任せられないと初めから決めつけている方や、タイで仕事をさせていただいている立場でありながら、タイ人を馬鹿にするような態度で接している方もいます。

 しかし、タイだけでなく海外でのビジネスで成功されている方は、国籍や性別、年齢などを超え、尊敬と感謝の心を持って人と向き合っています。

 そして、様々な人や事柄から素直に学ぶ姿勢を持ち、一人でできない時は協力を求め、間違いは素直に認め、前向きに解決する方法を考えるしなやかさを持っています。ビジネスにおいても、何か問題が起こった時にまず自分自身と組織に向き合い、内的要因を深堀りして素直に反省されます。

 部下であるタイ人に対しても、自分の意見が間違っている場合は素直に謝り、相手の目線に合わせて意見を聞く姿勢を持つため、自然に報連相が発生し、タイ人の部下からも信頼されます。

 基本的なことですが、どこの国でも求められ続ける人材は、素直さ、他者への尊敬と感謝、自分自身と向き合い他者に与えることを常に意識する柔軟性をお持ちです。


下川ゆう yu shimokawa
en world Recruitment (Thailand) Co., Ltd.
日系チーム チーム・マネージャー
立教大学卒業。大手人材紹介会社の東京本社で経験後、2009年に来タイ。以来、在タイ日系企業への人材紹介に従事。顧客企業の組織発展のための採用支援を得意とし尽力している。

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