メコン地域ビジネス法務 カンボジア、ラオス、ミャンマー 三ヵ国比較 | JBL Mekong

カンボジア、ラオス、ミャンマーの労働法比較⑥「労務について」

ミャンマー労務の留意点

(1)祝日数
ミャンマーでは、祝日は政府の通知により規定されます。ヒンドゥー教・イスラム教の祭日は直前に発表されるため、急遽祝日となる日があります。祝日が週の休日と重なった場合であっても振替休日を与える義務はないため、毎年の祝日数が変動することが特徴です。

(2)有給休暇
未消化有給休暇は、雇用者と従業員が合意した場合に3年を越えない期間において認められます。退職・解雇・死亡した場合で未消化有給休暇がある場合、雇用者は従業員の平均日給額(退職・解雇・死亡の直前30日間の平均)を支払う必要があります。

(3)雇用契約書
雇用者従業員の雇用開始後30日以内に雇用契約を締結し、管轄の労働局に届け出る必要があります(実務上従業員数が5名以上の雇用者のみ提出義務あり)。法律上雇用契約書に必要な記載事項が定められており、労働・雇用・社会福祉省が雇用契約書のサンプルを公表しています。このサンプルは工場での労働者を想定しており、サービス業などに従事する従業員に沿わない規定もありますが、実務上労働局へ修正したサンプルを提出すると審査能力に乏しい担当官によっては登録が進まないといった事例が発生しています。

(4)その他留意点
労働法分野に関する基本法が存在せず、個別法によって規制されています。そのため、規制内容を確認する場合には、該当する個別法を発見しなければなりません。また、時には複数の法律が適用されるケースもあり、理解が難しい法制度となっています。

 


JBLメコングループ ミャンマー事務所
藪本雄登
現地弁護士と協働し、タイを中心にカンボジア、ラオス、ミャンマー(CLM)の案件を担当。CLMへのクロスボーダー進出支援業務、M&A、労務、税務、紛争解決案件等を担当。ビエンチャン日本人商工会議所事務局長(2015年)、カンボジア日本人商工会労務委員(2014年、2015年)等を歴任。

JBL Mekong
JBLメコングループは、在タイ日系企業が周辺国に拠点を分散させる「タイプラスワン」進出に特化した法律事務所系コンサルティングファーム。タイを中心にCLM(カンボジア、ラオス、ミャンマー)に現地拠点を有する唯一の日系事務所。グループ全体で約50名(内日本人7名)が所属する。
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