聞きたくても聞けなかった、タイの税金事情

輸出型企業のVAT還付方法

jgaタイのVATは月次ベースで翌月15日までに申告及び納付が必要です。日本の消費税と基本的に同じ仕組みで、Output VAT(売上VAT)からInput VAT(仕入VAT)を差し引いた額を、税務署に納めることになります。
新規進出の際、工場の建設費用や機械の購入などで多額の仕入VATが発生する場合には、税務上の問題が発生することが少ないため還付請求をお勧めしています。しかし、税務調査対応が必須となるため、将来の国内売上などにかかる Output VATと相殺できる場合は、還付請求をせずに繰り越すことが無難です。
タイ国内販売ではなく、輸出型企業の場合は売上VATが発生しないため、仕入VATを控除することができません。こうした輸出型企業の場合は、通常通り税務調査を受けて還付請求を行う方法もありますが、「優良輸出企業」または 「登録輸出企業」の制度を利用することで、原則税務調査無しで還付を受けることができます。この2つの条件は別表の通りです。
優良輸出企業の場合は、前年度の輸出実績が70%以上必要で、払込資本金や不動産の所有などの条件をクリアすることで、VATの還付を速やかに受けることができます。登録輸出企業の場合は 、優良輸出企業と比較してVATの還付実行まで必要期間が長く設定されていますが、資本金や輸出実績などの条件設定が緩く、また、通常の税務調査を受け還付される期間と比べると非常に早いです。

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多くの日系企業が抱えるVAT未還付問題ですが、条件を満たすことでスムーズな還付を受けることができ、キャッシュフロー面や還付請求を受けるために要する税務調査期間を短縮することができる制度ですので、 是非活用ください。

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J Glocal Accounting Co., Ltd.
Managing Director
坂田 竜一
www.jga.asia

大学卒業後、証券化に特化した会計事務所勤務を経て2009年来タイ。大手日系会計事務所で 5年間勤務し、日系金融機関ほか多くの日系企業の会計・税務・監査業務に従事する。2013年12月、J Glocal Accounting Co.,Ltd.を設立、タイと日本の会計・税務の専門家として日系企業へのサポートをを行う。
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