聞きたくても聞けなかった、タイの税金事情

税務調査での指摘事項―契約書等に係る印紙税

前回に続き、日系企業の会計・税務を現場で対応している立場から、実際に発生した問題や注意点などに関する解説をしていきたいと思います。

日系企業の多くは、タイ現地法人の運転資金調達に親子ローンを活用する事例が多く、契約書には印紙の貼付が必須です。また、賃貸契約や請負契約なども印紙を貼付する必要がありますが見落としてしまい、VATや法人税の還付請求を行った際に実施される税務調査で、適切な額の印紙が貼られていなかったために慌てて印紙の購入対応を行うケースや、税務担当官に指摘を受け追徴課税を支払うケースもあります。また、印紙が必要な文書に適切な印紙が貼られていない場合、民事訴訟の証拠として認められません。
タイの印紙税法上は28種類に区分され、各書類により印紙税額が決められています。自社の書類で課税文書に該当する書類に印紙が貼られているかを確認し、適切な印紙が貼られていない場合は速やかに対応を頂くことで、将来発生する問題を未然に防ぐことができます。


J Glocal Accounting Co., Ltd.
Managing Director 坂田 竜一
大学卒業後、証券化に特化した会計事務所勤務を経て2009年来タイ。大手日系会計事務所で5年間勤務し、日系金融機関ほか多くの日系企業の会計・税務・監査業務に従事する。2013年12月、J Glocal Accounting Co.,Ltd.を設立、タイと日本の会計・税務の専門家として日系企業へのサポートを行う。
www.jga.asia

 

 

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