【連載】LAMTIP PARTNERSの簡単!タイでの“かいけい”

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税務調査での一番のポイントはやはり親会社との取引

この号が出る3月、多くの日本企業が決算月を迎えると思います。親会社が日本にあるタイの子会社も親会社との取引や借入がある場合は、債権債務を確認し合わせておくことが必要かと思います。
日本側親会社との間で問題になるのが、親会社に対する費用の扱いです。日本の税務当局の立場からすれば、親会社がタイ子会社に対して支出した費用や、日本からの支援に対する役務の対価(出張費用含めた給与支払額など)については、子会社から何らかの対価を得る必要があるとしています。
海外進出する企業が増加するなかそのまま放っておけば、税収にも大きな影響が出てきますので、トピック事項として課税の姿勢を強化していると思われます。最近、海外子会社の費用負担に関する記事を見る機会も多く、その記事を見た日本国内の税理士さんが海外に子会社のあるクライアントにも指導をすることも多いかと想像できます。このような背景からか、日本親会社から何らかの形で費用負担分の請求をタイ子会社にしたいのだが、どうすればいいのかといった相談が増えてきた印象があります。タイ子会社に対する経費は、当然タイ側できちんと見るべきだからという会社もあれば、日本国内の税理士がうるさいからという話もよく聞きます。

税務調査に関するタイ側の視点

ただ、タイ側の視点から問題なのは、タイ税務当局からすれば何でもかんでも親会社負担経費を認めてしまえば、貨幣は国外に流出する、税収は減ってしまうということになってしまいます。また、タイは国策としてBOIをはじめとして外国企業の誘致を積極的に行っています。ですから、海外取引に対する税務は大きな関心事になっています。以前、バンコク都内のある税務署長と話をする機会があったのですが、日本企業の場合の税務調査での一番のポイントはやはり親会社との取引と明言していました。
一般的に言われている(タイ国歳入局通達より)のが、その費用がタイ子会社の事業に関連しているのか?本社での研究開発がタイ子会社にとって収益に結びついてるのか?合理的な計算に基いているのか?―などを明確な証拠資料にて証明する必要があると言われています。
しかしながら、この辺りを税務担当官が納得するかといえば、タイの税務当局の立場からすれば簡単には納得しないでしょう。そのため、多くの企業がリスクを避けるために、いわゆるロイヤリティとして15%の源泉税を税務当局に支払いをするケースが見受けられます。その15%につい本社経費の損金算入要件(歳入局通達より)ては日タイ租税条約により日本での税金(法人税)の額から控除することができるとされています。
ただし、対象になるのは、本社側の所得に対し、タイ側の所得に対応する部分とされており、全額が対象というわけではありません。実際の控除対象額がどれぐらいになるのか、詳しくは日本の税理士さんに相談されるのがよいかと思います。

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文 : 岩倉弘貴
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