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ラオスにおけるコンサルタント会社設立申請書 受理一時停止の解除について

1.背景
ラオスでは、企業登録時に承認されたコンサルティング業務の範囲を超えてビジネスを展開している会社が多く存在することが以前より問題となっており、実務において、その業務範囲の厳格化が進んでいました。しかしながら、状況が改善されないことから、2017年8月28日付で、商工業省より、コンサルタント会社(全分野)として会社を新規で設立することを一時的に認めないという内容の通達 (No.1964)(以下、通達という)が出されていました。
2017年9月1日より同通達が施行されて以来、特別に会社設立を認める関連省庁からのレターがある場合を除いて、新規での会社設立は認められていませんでした。同通達には、一時停止期間は明示されていませんでしたが、一時停止を解除する通知が2019年8月26日において、約2年ぶりに出されました。

2.コンサルティング業における事業許可について
これまでは、コンサルタント会社を含め、商工業省が管轄する分野においては、企業登録申請をする場合、どの分野であっても、事業許可を取得する必要はなく、企業登録が完了後に、事業を実施することが可能でした。
今回の一時停止の解除により、分野によっては、企業登録後に、事業許可証を別途取得することが義務付けられました。具体的にどの分野のコンサルティング業がどの省庁から事業許可を取得する必要があるかは、明確に明示されていませんので、事前に商工業省で情報を収集し、関連する省庁に対して、事業許可に必要な書類等について確認することが肝要となります。例えば、物流業務に関するコンサルティング業務の場合、公共事業運輸省より事業許可を取得する必要があることが2016年7月5日付で通知されています。
以上のように、コンサルタント会社として企業登録が完了しただけでは、事業を開始できない事業分野があることをご留意ください。

3.その他の商工省管轄の事業について
コンサルティング業以外に、2019年1月18日付けで発行された「事業許可証が必要な商工業分野事業の承認に関する合意(No.0044)」の中で規定される事業においては、商工業省の管轄であっても、事業許可証を取得することが義務付けられています。
また、どの分野であっても、企業登録証の裏面に承認された事業分野の記載がない場合、事業許可を別途取得する必要があります。


内野里美
One Asia Lawyersラオス事務所に駐在。ラオス国内で10年以上の実務経験を有する。ネイティブレベルのラオス語を駆使し、現地弁護士と協働して各種法律調査や進出日系企業に対して各種法的なサポートを行う。

 

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One Asia Lawyersは、ブルネイを除くASEAN全域及び東京にオフィスを有しており、日本企業向けにASEAN地域でのシームレスな法務アドバイザリー業務を行っております。

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