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ベトナムで人事制度を円滑に 設計、運用するポイントとは

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現地法人の事情を反映する

ベトナムで人事制度をうまく機能させるためには、組織の実態に制度がフィットしている必要があります。

日本本社とベトナム現地法人では組織規模が異なることも多いため、現地の事情に適した制度設計がなされていないと、ベトナム人の適切な処遇や人事考課、ひいては人材育成ができません。

次のような観点で、現地法人の実態に合っているかどうかを見直し、改訂をする必要があります。

①組織図
②キャリアパス
③役職、等級構成
④役割、等級定義
⑤改訂に連動した人事考課等

日本人社員だけで決めない

人事制度は設計するだけではなく、運用が軌道に乗って初めて成功と言えます。制度をスムーズに導入及び定着させることができるかどうかは、ベトナム人社員が新しい制度を納得して受け入れられるかに懸かっています。

ベトナム人の感覚を人事制度の設計に反映させるべく、彼らの意見を汲み取りながら制度構築を進めることが理想的です。

制度構築プロジェクトに関しては、次のような点に注意しながら進めていくと良いでしょう。

制度構築上の注意点

まず、制度構築プロジェクトメンバーに、社員をまとめる器や権限のあるベトナム人を任命します。そして、彼らに新制度を導入するにあたっての旗振り役も割り当てます。

ドラフト段階から主要メンバーに新制度案をレビューしてもらい、設計段階で彼らに意見を求めましょう。ただし、経営側の立場で物事を冷静に見られる人選をすることが大事です。

そのような適任者がいない場合、現地のメンバーには人事制度の中でも社員の利害には直接絡まない部分だけをレビューしてもらうのに留め、センシティブな報酬制度まで切り込まないようにします。

また、人事考課や処遇決定フローの中にベトナム人管理職を据えて、人事権を持たせることも重要です。

寄稿者プロフィール
  • 長浜 みぎわ プロフィール写真
  • ICONIC Co., Ltd.取締役
    組織人事コンサルティング部統括部長 賃金管理士
    長浜 みぎわ

    ICONIC 組織人事コンサルティング部統括部長/取締役/賃金管理士。横浜国立大学卒業後、日本及びフランスの中小企業を対象とする経営コンサルティング企業にて、新規事業の開拓支援を行う。2006年より青年海外協力隊としてウガンダにて民間職業訓練校における人材育成需要及び労働市場で求められる人材需要に関する調査を実施。07年に渡越後、三井住友銀行ホーチミン支店にて法人営業を担当。10年、ICONIC取締役に就任。

  • ICONIC Co., Ltd. ロゴマーク
  • ICONIC Co., Ltd.代表 : 安倉 宏明 ( Yasukura Hiroaki )

    設立 : 2008年5月

    TEL : (+84)28-3821-5122(ベトナム)

    URL : iconicjob.jp

    10F Citilight Tower, 45 Vo Thi Sau, Dist 1, Ho Chi Minh, Vietnam

ICONICグループは「人材サービスでグローバル化する社会を豊かにする」というミッションのもと、2008年にベトナムで創業し、現在は5ヵ国7拠点にてグローバル人材事業を展開しております。メイン事業はASEAN各国現地での人材紹介事業と組織人事コンサルティング事業。そして14年よりベトナムを中心に現地人材および、海外で働きたい日本人向けの転職サイト『iconicJob』を、19年に『iconicHRbase』をスタートいたしました。

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