ArayZオリジナル特集

タイの新投資奨励政策 BOI恩典制度はこう変わる

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プロジェクトの認可基準

通常の事業では、収入の20%の付加価値を、農業および農作物事業、電子および部品事業、コイル・センター事業は収入の10%以上の付加価値を有しなくてはならない。
また、近代的な製造工程がなくてはならないほか、基本的に新しい機械を使用しなければならないこととしている。タイ国外から中古機械を輸入する場合は、①製造年より輸入年まで5年以内の中古機械、または②製造年より輸入年まで5年以上10年以内の中古機械の場合、対象物はプレス機械だけとする。①②ともに、プロジェクトでの使用、また法人所得税免税上限に算入することを認められるが、輸入関税の免税恩典は付与されない。機械の効率、環境負荷に対する影響、エネルギー消費量および機械の価格が妥当であることを信頼すべき機関により証明を得なければならない③海運事業、空運事業、金型は、BOIが適切であると判断した場合、10年以上の中古の使用を認められる。輸入関税の免税恩典を得て、法人所得税免税上限に算入することを認められる(詳細決定は事務局が定めることとなる)。
投資金額(土地代および運転資金を除く)1000万バーツ以上のプロジェクトに関しては、操業日より2年以内にISO9000またはISO14000、もしくはそれに相当する国際規格を取得しなければならない。取得ができなかった場合においては、法人税免除恩典を1年間取り消されることとなる。
また、環境保護に関する事項では、環境インパクト予防に充分かつ効率的なシステムを有する事が義務付けられており、環境に影響が発生するプロジェクトに関し、BOIは立地および公害処理について特別審議を行う。環境影響評価報告書を提出しなければならない対象の種類や規模の事業活動については、関連する環境法規制や内閣の決議を遵守しなければならない。最低投資金額(土地代および運転資金を除く)は100万バーツとなっている。ただし、電子設計、ソフトウェア、研究開発といったナレッジベースのサービス業については、BOIが指定する分野にて就労する人材の年間人件費の合計150万バーツを最低金額とする。
また、新規プロジェクトの負債と登録資本金の比率は3対1以内でなければならない。投資金額が7億5000万バーツ(土地代および運転資金を除く)を超えたプロジェクトについては、BOIが定めた様式でプロジェクト可能性調査を提出する必要がある。

商社業務が大幅緩和

制度にあった輸入商社への奨励事業「部品および半製品の国際調達事務所(International Procurement Office:IPO)」において、要件は①倉庫所有、または長期契約によるレンタル倉庫を有し、コンピューターによる倉庫管理システムを導入していること②商品の調達、品質検査および梱包業務を行うこと③タイ国内を含む複数の調達先を有すること④登録資本金を最低1000万バーツ有すること―であった。このIPOが新制度では「国際貿易事業(International Trading Centers:ITC)」に改正され、①~③の条件に加え、“部品および半製品”という限定がなくなり、求められる要件は④のみと国際商社業務が大幅に緩和されることとなった。

arayz feb 2015
ジェトロ・バンコク事務所
長谷場 純一郎
Investment Cooperation Dept.Director
1st Fl. of Nantawan Bldg., 161
Rajadamri Road, Bangkok 10330
Tel: 02-651-8650
http://www.jetro.go.jp/jetro/overseas/th_bangkok

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