ArayZオリジナル特集

タイ進出製造業の新たな展開 医療機器業界参入のヒント

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扉は開かれている、欧米系先行者を追い抜くには

「タイの医療機器市場への扉は開かれています。在タイ日本国大使館、JICA、JETROが連携を取り、皆様のタイ事業展開をサポートしています。各機関が行っている支援策を最大限活用してほしいです」(内川氏)。
「タイを拠点とすることで、周辺国へのビジネス拡大も可能性があります」(木下氏)。

今後、医療ニーズの高まりが見込まれる新興国には、先進国が生み出した医療機器や技術、制度の普及を求める流れが出来始めている。既に欧米系メーカーなどは現地のスペックや価格帯に合った製品を現地で開発するなど、競争は決して甘くないだろう。しかしながら、日本が長きにわたり行ってきたODA支援の経験を活かし、タイの医療発展に貢献することができれば参入への希望も見える。
タイのBOI投資奨励制度、日本の日本再興戦略を活用した、タイの医療機器産業市場への参入は今がチャンスかもしれない。

『2015年度タイODA×中小企業支援ミッション』開催

JICAが2012年より実施している「中小企業海外展開支援事業」の一環として今年6月、「タイODA×中小企業支援ミッション(医療・介護コース)」プログラムが開催された。これは新興国への海外進出を検討している中小企業を対象に、新興国の抱える 課題とその解決のために中小企業に求められる役割ついての理解を深め、同事業を通じて、
海外展開を検討する中小企業の支援を目的としたもの。

arayz nov 2015
JICAタイ事務所にて行われたタイ医療・介護事情、ODA事業紹介など

医療・介護分野における日本の優れた技術・製品は諸外国でも高く評価されており、今後の海外展開の可能性が最も高い分野の一つとして今回、医療や介護などヘルスケア分野の製品・技術を持った企業を対象にしたタイでの現地調査(視察)が行われた。参加したのは北海道から熊本まで全国から集まった11社。事業内容は介護サービス、廃棄物処理、感染症診断キット製造など、多岐にわたる。
同プログラムでは、在タイ日本大使館の唐木氏が「タイの医療システム概要と介護の現状」について説明し、また日本政府の企業支援スキームを紹介。JETROバンコク事務所
の梅北氏が「タイの医療規制や投資委員会(BOI)の医療分野における投資奨励策と、JETROの企業支援スキームについて説明を行ったほか、バンコク日本商工会議所(JCC)化学品部会医療・医薬品分科会会員企業とのミーティングやプラプラデーン障害者ホーム訪問、タイ保健省訪問、国立バムラー病院、国立シリントン・リハビリテーション・インスティチュート見学、工業省・タイ企業とのネットワーキングなどが行われた。

arayz nov 2015バンコク日本人商工会議所にて医療・医薬品分科会の活動・目的紹介

今回のプログラムを通して、日本政府やJICAが医療や介護分野で日本企業のタイへの進出を後押ししようとしていることが、より具体的にタイ側にも伝わった。日本のモノや技術、ノウハウをそのままタイで展開するのではなく、タイが求めているものにマッチさせることで、タイでの成功が期待できるだろう。

次ページ:日本の優れた医療技術をアジアへタイで内視鏡外科技術を普及

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