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ファクトリー・オートメーションとは何か? タイ工場の“FA”を徹底解剖

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arayz jun 2016

設立以来、生産現場の生産性・品質向上を目指し、FA用センサをはじめとする高付加価値製品の開発に取り組んでいるファクトリー・オートメーション(FA)の総合メーカー、キーエンス。同社が考える「タイのFA」とは―。

キーエンスが考えるFAとは

キーエンスの製品は自動車、半導体、電子・電気機器、通信、機械、化学、薬品、食品など、製造業のあらゆる分野において20万社以上の企業で利用されおり、現在44ヵ国、200拠点で事業を展開している。
同社ではFAの意義のひとつに〝安定化〞の要素があると考えている。これは単に人が行っていた作業を代わりに機械が行うといったものだけでなく、機械化することで人為的ミスを減らし、効率性を向上させて〝同じ品質・短時間・正確性〞を実現することが目的にあるためだ。
FAには産業用ロボットのほか、運搬、検査、管理などを自動化するさまざまな機器があるが、その目的は全て同じだという。 現代の製造業界におけるFAの存在理由のひとつには、熟練した技術を必要とせず、人の代わりに機械を置くことで、誰が操作しても同じ品質、短時間、正確性が確保できることがある。

タイの製造業界事情とFA

KEYENCE(THAILAND)CO., LTD. (以下、キーエンス・タイ)の吉村昭典Managerは、「FA化への流れはタイ製造業界の現状を象徴する」と話す。
少子高齢化が進み、ワーカー増は期待できず、人件費は高騰し続けている。〝タイで安く製造する〞時代は終わったのだ。他方、製造業先進国のような技術力はまだタイにはなく、〝メイド・イン・タイランド〞の高品質な製品を作っていくために次のステップへと、どう移行していけるかが課題となる。
また、ワーカー、熟練技術者ともに不足しているタイでは、企業が人材を採用し、研修を行い育成しても離職されてしまうというのもよく聞く話。それであれば、人手がいるところは人で、機械にできることは機械で住み分けして、品質の維持・向上を目指す。
この考えがタイの製造業界においてトレンドになりつつあるという。採用、育成、離職のサイクルを巡るよりも、FA機器を投入した方が、単純に費用だけの問題でなく、育成のための時間や労力コスト面で、長期的な視点に立った時に優位だと考える企業が増えてきている。

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Marketing Department
吉村昭典 Manager

FAが可能にすること

〝事象を見る〞ことがFA化の第一歩だ。工場でモノを製造するということは、当然、材料や生産品の在庫管理が必要になる。人の手作業による数量確認やデータ打ち込みにはミスがつきものであり、マンパワーは時間もかかる。これをバーコードで管理すれば、工場に材料が入荷されてから、工場内を移動し、今どこにいくつあり、製品が製造され出荷されたかどうかまで自動で管理が可能になる。これもFAのひとつだ。
出荷ラインにセンサを付ければ、人の目の代わりとなり、キズの有無や色の違いなどが判断できる。センサをアッセンブリのラインの中に組み込めば、寸法などを生産工程の中で、自動で測定することが可能になる。製造工程において必要不可欠かつ重要な寸法チェックが生産工程の中で正確にできれば、稼働率の向上にもつながる。センサや画像処理、測定器といったFA機器は材料、製品の流れを記録している。不良品などが見つかった場合は原因究明に記録が役立つため、トレーサビリティの面でも活躍が期待できる。
これら各FA機器はPLC(Programmable Logic Controller)と呼ばれる制御機器で結んでおり、動作、情報などの一元管理が可能だ。 タイの人件費高騰がFA化を加速させるひとつの要因であることは先述したが、日本も昔は同じ状況にあった。人件費が利益に見合わなくなったことで、国内工場のFA化を進め、国外へ進出するきっかけにもなった。日系製造業界のこの流れと、キーエンスは常に行動を共にしてきた。

キーエンスのものづくりは代理店、商社などを通さない〝直接販売〞にこだわるところにある。セールスエンジニアといわれる営業担当者が顧客と直接対話、現場のニーズや課題などを直接吸い上げることができる。これらの情報を活用し、自社で新商品開発や既存商品の改善につなげている。
取り扱うFA機器は生産性向上、工程改善、自動化、品質向上、安全性向上、環境対策・省エネといった分野における、センサ、変位計・寸法測定器、安全機器、画像センサ・画像処理装置、投影機・画像寸法測定器、PLC・モータ、タッチパネル・FAデータ収集機器、バーコード・2次元コード/RFID、マイクロスコープ・顕微鏡/三次元測定器、データロガー・記録計/レコーダ、流量・圧力センサ/温度制御/レベル、レーザマーカー・インクジェット、3Dプリンタ、静電気対策機・クリーン機器など幅広い。
その中でも、「金属板2枚送り検出センサ『DD』という商品があります。検知対象物の2枚重なり(ダブルブランク)を検出する単純なセンサになりますが、これは当社の設立当初からある歴史ある商品です。ほかにも改良を重ね、10年、20年現役の商品も多くあります」と吉村氏。

また、キーエンス・タイのセールスエンジニアと呼ばれる営業担当者は日本人、タイ人問わず商品知識、技術は同等に高いクオリティを持ち合わせているという。カタログも日本語のほか、英語、タイ語のものを用意。操作説明書も主力商品から徐々にタイ語化を進めている。
「商品の良さを知ってもらうという意味で、タイであればタイ語でタイ人同士が話をするのが一番よく伝わります。専門用語も多く、技術的に深い話となれば、第二言語ではお互いに理解のズレが生じる恐れもありますから、しっかり母国語で対話をしてもらい、ものづくりに当社製品を活用してもらいたいと思っています」と亀井氏。

専門知識は必要ない?

FA機器の導入にあたっては、コスト以外にも扱い方のハードルの高さが課題とされている。懸念される操作の難易度について、キーエンスではプログラムや専門的な知識がなくても利用できる商品を揃えているという。例えばカメラ機器の明るさやフォーカスで異常が発生しても、「撮像環境再現ナビ」(左図)と呼ばれる機能があり、機器からの指示に従って操作するだけで、元の正常な状態に戻せる。あるいは、物理的な調整を加えるだけでも対処が可能。プログラムを熟知している技術者が工場にいれば、プログラムを書き換えて活用できる機器もある。
簡単に、すぐに使える機器はタイの製造現場の即戦力として、レベルの向上に貢献するはずだ。

検査の“安定”性を高めた事例 「撮像環境再現ナビ」

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