ArayZオリジナル特集

ファクトリー・オートメーションとは何か? タイ工場の“FA”を徹底解剖

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arayz jun 2016

産業用ロボットの世界トップ企業である安川電機は、ロボットのほか、サーボモータ、コントローラ、インバータをコア事業に、それらの製品と技術を最大限に生かした新しいソリューションを製造現場に提案している。同社タイ現地法人YASKAWA ELECTRIC (THAILAND )CO., LTD. の中野純一President & CEO に、タイにおけるFAソリューションについて伺った。

―タイではどのような業界で多く産業用ロボットが導入されているのですか?

タイの主要産業が自動車ということもあり、当社製産業用ロボットのおよそ90%は自動車業界で導入されています。
日系完成車メーカにおいては、日本から設備一式を日本からタイへ移送する〝トランスプラント〞体制が一般的ですが、ティア1、ティア2といった自動車部品メーカは近年設備を現地調達する体制に移行している感触があります。 自動車業界以外にも、家電や食品など世界的にマーケットの大きい産業でも活用してもらえる製品を提供していけるよう、開発・提案に注力しています。

―タイでもFAは広がっていくと思いますか?

一昔前のタイでは、ワーカーをたくさん投入する人海戦術的な製造が行われていましたが、昨今ではいわゆる3K(きつい・汚い・危険)の現場が避けられていることに加え、タイの技術者、ワーカー不足なども影響し、〝ロボットでできるところはロボットで〞という流れができつつあります。
ロボットの強みである、工程にかかる時間や品質を〝標準化〞できる特長からも、タイの産業が高度化を目指すにあたり、FA化はますます進んでいくと思います。
また、サーボモータを搭載している機械・装置はほとんどが輸入されていましたが、タイのローカル企業による現地生産も始まってきています。ロボットというよりは装置と言った方がいいかもしれませんが、XYZ(縦、横、高さ)の3軸機械のニーズも多くあります。タイのFAマーケットでの需要は増加してきており、今後の成長が楽しみな分野だと思っています。
中国ではローカル企業の新興により、国内ロボット産業が急成長しました。タイで開催される工業系の展示会でも、ここ最近ではタイ・ローカル企業による自社開発のロボットアプリケーション展示が増えてきており、タイでも装置産業の成長が期待できます。

―FA普及のために、どのようなパートナーシップを築いていますか?

当社では現在日系をはじめ、欧米系、タイ・ローカル企業など24社とパートナーシップを結んでいます。昨年オープンしたバンコクのロボットセンタ内には、パートナー企業の製品展示スペースのほか、簡易オフィスや会議室、セミナールームもあり、パートナー企業には自由に使っていただいています。パートナーシップを組むことでお互いの技術や製品、アプリケーションを組み合わせて〝相互拡販〞を目指し、お客様に最適なソリューションの提供を実現しています。
他社との協力という点では、当社が幹事会社のひとつを担っている組織「MECHATROLINK 協会」があります。 MECHATROLINK (メカトロリンク)とは、コントローラと各種コンポーネントを接続するオープンフィールドネットワーク(参加メンバー、ユーザー間で仕様が公開されており、異なるメーカーの機器を接続するために共通で利用できる規格)のことで、高速な通信と同期性の保証により、システムの高速化、高機能化を実現します。世界にMECHATROLINK を普及させるべく、設立されたのがこの協会です。
また、ロボットアプリケーションの製作にチャレンジしたいというタイ・ローカル企業には開発ツールや技術提供なども行っており、もっと相互拡販できるよう、当社パートナー企業として参加してほしいと願っています。

arayz jun 2016
中野純一 President & CEO

 

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