2020.02月号

“攻め”と“守り”の組織運営、パソナとトライコーがセミナー共催

人材紹介大手パソナと、香港を拠点にビジネス・プロセス・アウトソーシング(BPO)事業を展開するトライコーは2月14日、バンコク市内でセミナー「“攻め”と“守り”の組織運営」を開催した。グローバル化の加速で国内外での競争が激化する中、専門家らが法令順守や人員の適正化、各種制度設計など、現代に適した経営の在り方を解説した。

トライコー・ジャパンの山内奨ディレクターは、「攻めと守りの危機管理がビジネスを制す」と、タイの現地法人を健全に運営するためのコンプライアンスの「いろは」を説明。日系企業の課題として、経理といったコーポレート部門での経験のない営業・技術畑出身者が現地の社長に抜擢されること、サイバー攻撃への警戒心の薄さなどを挙げた。

パソナHRコンサルティングリクルートメント(タイランド)の鉤(まがり)伸秀マネージングディレクターは、人事・労務に強い組織づくりを行う重要性を強調。貧富の格差、高齢化社会の到来、高度人材不足など、タイが抱える課題は少なくない。中でも高い離職率は経営者にとって頭痛の種だが、応募者や従業員の持っている能力や特徴を見抜く「内田クレペリン検査」を実施することによって、適正な採用や適材の配置が可能となり、定着率の向上につながるという。

パネルディスカッションでは、山内氏と鉤氏に加え、マーサー(タイランド)のプリンシパル兼ASEAN日系企業チーム責任者の仲島基樹氏、日経ビジネスラボアジア社長兼CEOの杉山牧子氏が、異文化で育ったタイ人との社内での意思疎通の取り方などについて意見を交換した。

仲島氏は、グローバル水準から外れていると言われる日本人同士のコミュニケーション(仕事を効率化を図るための「報・連・相など」)をタイ人はどう見えているのかを問うべきで、相手の視点から考えることを心がけるよう提言した。

杉山氏は、「親しみをもって話をかけ、タイ人に居心地の良い職場であると感じてもらうこと」が重要と述べた。また、日経リサーチが行った調査によると、「自分が成長できる仕事である」「技術が身に付く」ことが、“働きがい”につながることがわかった。

5月後半に施行される個人情報保護法について、法律事務所One Asia Lawyer(タイランド)の小出将夫弁護士は、事業者が負う義務や必要な対応などを説明した。ただ、個人データ細則などは依然、公表されておらず、欧州連合(EU)で施行されている「一般データ保護規則」に沿った対応が当面求められる見通しだ。

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