2020.07月号

ArayZコラム

コロナ禍下で株価急騰!タイ企業、スリトラン・アグロインダストリーってどんな会社?

このコロナ禍下で株価が2.5倍に急騰しているタイ企業、スリトランをご存知でしょうか。ちょうど今年の3月末9.5バーツを推移していたスリトランですが、現在28.5バーツほどに位置しています。

 

 

スリトランはタイ最大の天然ゴムを扱う企業です。
タイは世界最大手の天然ゴム生産国。2017年にスリトランはタイ東北部に8万6,000トンの生産能力を持つ工場を新設したことで、国内生産の割合を高めてきました。
シートやブロック状、液状の天然ゴムを生産する同社ですが、世界シェア上位5社に入る”天然ゴム製医療用ゴム手袋”の生産をしています。

今、前年同期比が軒並み減少している企業が多い中、逆風を追い風に変えるスリトラン、扱う製品が分かると株価急騰も納得できる方も多いのではないでしょうか。

 

2020年3月末から右肩上がりに株価の上昇が見られますが、要因は3つ想定できます。

 

1つ目は、今年5月13日に発表された市場の予想を上回る決算です。

一株当たりの利益(EPS)は17.48Bと市場予想の17.14Bを上回りました。これは前年同期比(15.15B)と比べ、約15%の上昇です。投資家はEPSが高ければ高いほど良いとし、EPSの上昇具合を今後の株価動向への判断材料とします。
また、EPSから分かるPER(株価収益率)は、現在の株価が割安か割高かの判断に用いられます。通常EPSが大きくなるとPERは小さくなり、PERが小さければ株価は割安だと市場は判断し買い材料となります。
今回、決算発表後にスリトランの株価は急上昇となり、株価への大きな影響が確認できます。

 

2つ目は、コロナウイルス感染者数増加です。

株価が上昇をし始める3月末の同時期から、タイでのコロナウイルス感染者が急増し3月26日に緊急事態宣言が出されました。同時期はタイだけでなく世界全体でコロナウイルスの蔓延があり、健康と安全に対する意識が高まり、健康保険、アルコール洗浄ジェル、フェイスマスク、ゴム手袋などを購入する消費者が増加しました。
これがゴム手袋市場の高成長に反映されています。

 

最後に、企業としての取り組みも要因と考察できます。

2020年2月25日、スリトランの取締役でもあるVeerasith Sinchareonkul氏が、タイの保健省に100万個の手袋の寄贈を行いました(2月13日には中国へ同等の寄贈をしています)。
こういった消費者の注目を集める取り組みが、企業としてのブランディング効果を生み株価上昇に起因したのではないかと推測します。

 

今年7月2日に、スリトランの医療用手袋製造の子会社スリトラン・グローブス・タイランド(STGT)社が新規株式公開をしました。まだ上場したばかりの企業ですが、注目度の高い銘柄ではないでしょうか。

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