起業家支援の「Startup Thailand」、孫泰蔵氏が登壇

若い世代の起業家や支援者が集結する「Startup Thailand 2019」が7月23日~27日、バンコク市内各地で開催されている。25日には世界中で起業家の育成・支援を行うミスルトゥ(Mistletoe)創業者の孫泰蔵氏が登壇し、技術革新を起こすために必要な条件などを熱く語った。

AI(人口知能)やロボットの進化による失業者の増加や拡大する貧富の差が、深刻な社会問題を招くと懸念される。ミスルトゥの使命は、人類が将来、直面する大きな課題を解決するため、新たな技術を生み出す起業家を育て、同じ志を持つ人々とコミュニティを形成し、力を結集してインパクトを生み出すこと。

アフリカなど新興国では、IT(情報技術)を活かした新たなサービスが続々と生まれている。米国で創業した「Zipline」だが、先進国では小型無人飛行機(ドローン)を飛ばすには規制が立ちはだかり実用化を断念。ルワンダでは、冷蔵保存が必要な血液製剤を離れた病院に運搬し、多くの命を救っている。そのため、病院に医薬品を保存する冷蔵設備がいずれ不要となると予測する。

調理済み食品などを宅配する手段としても活用できるため、新興国の家庭では冷蔵庫が要らなくなることも考えられるという。ほか、災害時の水不足などを解決する未来の水インフラ作りに取り組む日本の「WOTA」、子供たちの創造力を伸ばす施設を運営する「VIVITA」などを紹介した。

「素晴らしいビジョンを描く」「共感してくれる共同創業者を探す」「我が道を行く」「物事をでっかく考える」などに加えて、「パソコンの父」といわれる米国人のアラン・ケイ氏の名言「未来を占う最善な方法はそれを発明することだ」と起業家を鼓舞。大志を抱くタイの起業家への支援を惜しまないと明言すると、聴衆から大きな拍手が送られた。ソフトバンクグループ会長兼社長を務める孫正義氏は実兄だ。

 

 

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