「食ビジネス支援」、東京都中小企業振興公社がイベント主催

東京都中小企業振興公社タイ事務所は9月5日、バンコク国際貿易展示場(BITEC)で、日本・タイ両国の食ビジネスを支援するイベントを開催した。2015年の同事務所開設以来、セミナーや商談を通じて日タイ企業の交流・取引促進に取り組んでおり、今回は講演会や企業代表者によるプレゼンテーション、商談会を梃子に、新たな価値の創造を図った。

タイの商慣習や消費者の嗜好などにとまどう日本人は少なくない。バンコクで開業27年目を迎えた伊勢丹(タイランド)の磯野洋亮シニアエグゼクティブは、商品が生産者の手を離れ、消費者の手元に届くまでの流通経路や、消費者の嗜好などの違いについての基調講演を行った。一般のタイ人が飲食店を選ぶ条件は、“味”、“価格”に次いで “アクセスの良さ(駐車場の有無含む)”がトップ3で、“サービス”を重視する日本人との違いを説明。小売業界の勢力図や到来する少子高齢化による食生活の変化などを理解することも重要と付け加えた。

プレゼンテーションでは、両国各8社が自社製品をアピールすると同時に、高付加価値化や商品開発などで抱える課題を挙げた。介護食や治療食などを製造販売するホリカフーズ海外事業部の柏原瑛士課長は、「日本で40年間の販売実績があり、高齢者向け食品の販売を通じて、タイ社会に貢献したい」と述べた。駐在員事務所を今年4月、バンコクに開設しており、「販売ルート開拓を目指し、病院などで介護食の試食をしてもらっている。タイは人脈が重要と聞いているので、専門家らとのネットワーク作りを図りたい」と抱負を語った。同時に来場者との商談会が行われ、協業できるパートナー企業の発掘を行った。

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