ヤンマー、自動運転トラクターの実演会を開催

発動機、農機、建機などの製造・販売大手ヤンマーのグループ会社であるヤンマーS.P.とヤンマーアグリは7月23日、東部チョンブリ県シーラチャーで、農作業の省人化・効率化を実現する無人運転トラクターの実演会を開催した。ヤンマーアグリ開発統括部の日高茂實部長によると、農業従事者が全国民の約 3割を占めるタイだが、同社は農業人口が将来大幅に減少すると予測しており、農業生産の向上にロボット農機が必要な存在になると説明した。

今回の実演会は国際協力機構(JICA)とタイ日協力作業部会が進めるタイにおける高度測位データを活用した社会実験の一環で、GNSS(全地球衛星測位システム)を利用した無人運転を実現するロボットトラクター「YT5113(日本では18年10月に発売)」を圃場で走行させた。

同トラクターの主な特長は、△作業内容やオペレーターに応じて設定が可能な2つの自動運転モード搭載△タブレット操作と高精度な位置情報による作業性の向上△安心して作業ができる充実した安全装置装備――などで、直進・旋回しながらサトウキビの植え付け作業を実演した。

走行に必要な電子基準点などインフラの未整備や高価格などで、タイでの実用化はまだ先になりそうだが、ヤンマーS.P.の末永進二社長は、「持続可能な農業技術の発展を目指すタイの『(最先端の情報通信技術を利用する)スマート農業』に少しでも貢献したい」と意欲を示した。

同社はまた、農業を取り巻く環境の変化は世界各地で起こっており、農業のあり方を変えなければ持続可能な未来はないと、“農業”を“食農産業”に発展させる取り組みを行っている。

 

 

 

 

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