中小企業社長兼経営コンサルによる、現場発-経営論

第19回 中小企業社長兼経営コンサルによる現場発経営論

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Q:7月号でSDGsに取り組むメリットをご紹介いただきましたが、実際に会社の利益には繋がっているのでしょうか?

A:結論から言うと、弊社にとっては利益に繋がっています。今回はその一つとして、学生インターンの活用による人件費の削減を紹介します。

そもそも、SDGsのゴール4「質の高い教育をみんなに」(※1)の達成のために企業が取れるアクションの例として、インターン機会の提供も挙げられており(※2)、立派にSDGsに貢献する取り組みと言えます。

ここで、学生インターンの活用は次の3点で、コストの削減ひいては利益の増進に繫がっています。

① 人件費を相対的に安くできる

従業員を雇用した場合は給与・社会保険等の人件費が発生しますが、学生インターンは従業員ではありませんので雇用に関連して発生する義務がなく、従業員を雇用するのに比べて人件費が安価になります。

ちなみに「会社の戦力になるのか?」という疑問を持たれる方もいらっしゃるかと思いますが、弊社では戦力になっています。弊社業務の繁忙期(1月~4月)に仕事をこなしてくれるので、本当に助かっています。

② 採用費が掛からない

学生インターン

会計マネジャー(男性)より説明を受ける学生インターン(3人とも現在は従業員)

学生インターンを自社で見つけてくれば、誰かに支払う費用は発生しません。さらに、その学生インターンが非常にスペックが高く、従業員として雇用したいとなった場合も、介在する人材紹介会社等がないため紹介料は当然に発生しません。

人材紹介会社に支払う紹介料が通常給与の数ヵ月分になることを考えれば、コストメリットが非常に大きいと言えるでしょう。

③ 政府恩典が使用できる

タイ政府は若年労働者の雇用を促進するため、様々な恩典を適用します。今年は大卒労働者の給与について、一人当たり月額7500バーツまで政府が負担する(※3)という制度があります。

今年、弊社では学生インターンをそのまま従業員として採用したこともあり、本制度を適用することで会社負担を少なくして従業員を雇用することができました。


これらを組み合わせた結果として、弊社では労働力を確保しつつも、コスト削減を図ることができ、結果として利益を獲得することに繋がりました。この通り、SDGsへの取組は決して綺麗事ではなく、経営施策として採用し得るものであると考えています。ご参考いただければ幸いです。

 

(※1)https://www.maff.go.jp/j/shokusan/sdgs/sdgs_target.html#goal_04
(※2)https://sdgcompass.org/sdgs/sdg-4/
(※3)https://www.mol.go.th/en/news/labour-minister-assigns-secretariat-to-clarify-conditions-of-co-payment-project-to-accelerate-process/
寄稿者プロフィール
  • 倉地 準之輔 プロフィール写真
  • 倉地 準之輔

    日本で大手監査法人、外資系企業勤務を経て、2013年来タイ。外資系会計事務所のジャパンデスクにて日系企業向けコンサルティング業務に従事した後、15年10月にBizWings (Thailand) Co., Ltd.を設立。経営コンサルティング業務を提供し、現在に至る。公益財団法人東京都中小企業振興公社タイ事務所経営相談員。ジェトロ中小企業海外展開現地支援プラットフォーム・コーディネーター。公認会計士(日本)。東京大学経済学部経営学科、米ケロッグ経営大学院卒業(MBA)。

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