2020.04月号

ArayZオリジナル特集

8人の専門家が解説するタイの過去そして未来

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 100号を記念して様々な分野の識者に、それぞれの視点からタイの過去を紐解き、そして未来を占っていただいた。
経営から不動産、日タイ関係やタイ政治など、それぞれのエキスパートの眼には、どんな景色が見えているのか。

 

先人たちが築いた友好関係タイへの感謝と敬意を忘れず

島田 厚
タイ国日本人会
タイ国日本人会 会長
島田 厚
Atsushi Shimada

1955年、東京生まれ。90年に三井物産駐在員として初来タイ。以降、日本とタイを行き来し、2013年9月に同社を退職後、日本駐車場開発(タイランド)の上級副社長、アジア工業団地の顧問に就任。16年4月にタイ国日本人会の第51代会長に就任。

日タイ Last 10 Years
様々な事件や出来事が発生 一層深まった日タイ関係

これまでの10年を振り返ると、大きな出来事、変化が続いたものの、日タイの関係はより一層深まったのではないでしょうか。

2011年にはインラック首相の就任や大きな被害を出した大洪水が起きました。14年にはバンコク封鎖およびクーデターによる暫定政権発足。15年にはエラワンの祠付近で爆弾テロが起こり、16年にはプミポン国王の崩御、ワチラロンコン新国王の即位がありました。そして昨年、総選挙が行われプラユット首相が就任、ワチラロンコン国王の戴冠式も行われました。このように国王の交代や政変、事件、自然災害など様々な変化、事象がありながら、タイは成長し、タイに来る日本人、日系企業は増加してきました。

その変化は数値で見ても明らかです。タイの在留邦人は4.7万人(10年)から7.3万人(19年)に、タイの日本食レストランも1,000店(同)から3,300店(同)、訪タイ日本人は99万人から165万人、そして訪日タイ人はビザ免除の影響もあり、22万人から113万人と5倍に増加しました。

他にも、大晦日の一大イベントである紅白歌合戦に18年、19年とタイのBNK48が出演し、Jリーグの北海道コンサドーレ札幌に移籍したタイ代表のMFチャナティップが18年のベストイレブンに選ばれるなど、日本で活躍するタイ人も登場しました。最近では、若い日本人がタイで起業したり、新卒でタイの会社に就職する例も増えてきています。

なぜ、これほどまでに両国の結び付きが強いのか。タイには日系企業が古くから進出し、インフラや物流網、高い現地調達率といった産業基盤が出来上がっています。経済発展するにつれ、輸出拠点としてだけではなく、市場としてもタイは成長してきました。歴史的にも日タイ両国は友好関係が長年構築され、労働・生活環境も整っており、日本人が安心して働くことができます。

日タイ Next 10 Years
産業構造の変化にチャンス 意欲ある日本人の挑戦求む

今後、タイは日本と同様、少子高齢化社会に突入します。労働力不足や人件費の高騰などにより、従来の延長線上の製造業では既に競争力を失ってきており、もはや中進国の罠に陥ってしまっている面は否めません。

直近の5年程でも、日本からの製造業の新規進出は減り、飲食などのサービス業、IT・ソフトウェア開発、不動産などの進出が急増しました。製造業に関してはこれから、タイ政府がタイランド4.0政策で推進するイノベーション主導型の産業、及び最新技術を伴った高付加価値商品・素材の進出が増えるのではないでしょうか。

また、一人あたりの国内総生産(GDP)が5,000ドルを超え、中間所得層向けや、日本をはじめとした諸外国を訪問して本物志向の強い富裕層向けの高付加価値サービス、商品、新たな形態の販売プラットフォームなどは今後、大いに参入するチャンスがあると思います。意欲的な日本の若者、中小企業、投資家には是非、日本に留まることなく、タイで成長すると思われる分野に挑戦していただくことを期待しています。

こうして私たち日本人がタイで暮らし、安定して仕事をすることができるのも、先人たちが長年に亘りタイで友好関係を築いてきてくれたお陰です。現在そして将来に亘っても、私たちはこの環境を与えてくれているタイという国、及びタイの人々に感謝と敬意の念を持ち、それらを態度と行為で示すことを心がけていかなければいけません。

日本人会としてもタイ人との交流、慈善活動などにも一層取り組んでいきます。そうすることで、日タイの絆が更に強まり、タイ及びタイに住む私たち日本人そして日系企業のなお一層の発展に繋がると信じています。

ArayZへ一言

ビジネスをテーマとした素晴らしい情報誌だと思います。今後も良質な記事を書き続けてください。

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