中小企業社長兼経営コンサルによる、現場発-経営論

第20回 中小企業社長兼経営コンサルによる現場発経営論

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Q:組織の管理について悩んでいるのですが、何か良い方法はないでしょうか。

A:管理しなくても済む方法を考えるのはいかがでしょうか。例えば、社長や上司がマネジメントをしなくても、目的達成に向けて進める組織ができたら、素晴らしいと思いませんか。

ような組織の在り方を論じた、「ティール組織―マネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現」(以下、同書)という本があります。同書では、管理をしなくても目的実現に進む組織として、次の3つが重要であると論じています(※1)。

① 進化する組織の目的

組織全体を目的のある1つの生命体であると捉え、その目的は常に進化し得ると考える。その構成員たる個人は、その組織の目的を確認しつつ、その中でどのように振る舞うかをその他の構成員たる個人とのやり取りの中で、自由に決定することができる。

② ホールネス

個人は職業的人間だけとしてではなく、非職業的な部分も含めた全人格として扱われる。論理的・専門的な発想のみならず、直感的・非専門的な部分も含めて振る舞うことができ、それを通じてより広い範囲で組織に貢献することが期待される。

③ セルフマネジメント

個人全員が信頼に基づき、主体的に組織運営に関与することができる。階層・コンセンサス・命令系統は存在せず、その都度に応じて独自のルールや仕組を工夫しながら、自発的に組織運営を進めることができる。


そして同書では、それぞれに基づいて組織運営を行った場合に、従来型の組織運営と比べて図表のような相違が見られるはずと述べています。

ティール型組織と従来型組織の違い

これらからは一般に組織管理で思い浮かぶ、上長が厳密に部下を管理する上意下達式ではない組織管理の在り方が見えてこないでしょうか。

興味深いことに、同書は現在タイ語にも翻訳(※3)されており、タイ人コミュニティにも徐々に浸透しつつある考え方であるようです。

私自身も一経営者として、どういった組織を作るのが良いのかについては日々頭を悩ませています。本稿が皆さんがタイでより良い組織を作るための一助になれば幸いです。

 

(※1) https://nol-blog.com/what_is_teal_organization/ (2021年8月2日閲覧)
(※2) 同書より筆者が抜粋、一部補記。なお、同書上は『従来型』の組織は『達成型組織』として現代のグローバル企業に代表される組織形態として述べられている
(※3) https://www.excellentpeople-th.com/ (2021年8月2日閲覧)
寄稿者プロフィール
  • 倉地 準之輔 プロフィール写真
  • 倉地 準之輔

    日本で大手監査法人、外資系企業勤務を経て、2013年来タイ。外資系会計事務所のジャパンデスクにて日系企業向けコンサルティング業務に従事した後、15年10月にBizWings (Thailand) Co., Ltd.を設立。経営コンサルティング業務を提供し、現在に至る。公益財団法人東京都中小企業振興公社タイ事務所経営相談員。ジェトロ中小企業海外展開現地支援プラットフォーム・コーディネーター。公認会計士(日本)。東京大学経済学部経営学科、米ケロッグ経営大学院卒業(MBA)。

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