2014.12月号

ASEAN

【連載】藪本 雄登氏がアドバイス! 新興メコンの最新法務事情 Vol.4

yabumoto

◆カンボジア編 労働省査察について

2014年3月20日に施行された労働職業訓練省通達第034号によれば、合計24グループに労働監査官の振り分けがなされています。
通常、1グループは8名で構成されています。メンバーは労働省の下記各局から1名づつ派遣されます。
(1)Department of Labor
(2)Department of Labor dispute
(3)Department of Child Labor
(4)Department of Labpr physician
(5)National Social Security Fund (NSSF)
(6)Department of Employment and Manpower
(7)Department of Strike Resolution Committee
(8)Department of Labor Inspection

査察の流れ

(1)事前通知
査察に際しては、通常、労働職業訓練省、労働査察局の局長から1週間~1ヵ月前に事前通知がなされます。事前通知には具体的な査察の日時が示されており、ここには、重要質問事項のサマリーも付記されています。対応すべき担当者の指定はありませんが、現地マネージャーが対応することが一般的です。また、法務専門家が同席の上、対応するケースもあります。

(2)査察の開始
主に査察チームのリーダーから、労働職業訓練省指定のフォーマットに記載された質問を受ける流れになります。質問事項は以下の通りです。
①会社書類、会社情報
会社名、株主、取締役構成、事業目的、使用土地面積、工場規模、生産設備の価値などの会社の基本的な情報について回答する必要があります。
②労働省での登録状況
会社設立宣言、従業員割当て、就業規則の登録、社会保険登録などの登録がきちんと行われているかについてチェックがなされ
ます。
③従業員の雇用状況
総従業員数、平均年齢、健康診断状況、雇用契約書などに関する質疑応答が行われます。
④トレーニング
従業員のトレーニング、育成などに関する事項に質問を受けます。
⑤労働条件
給与、就業時間などに関する質疑応答が行われます。その他労働 災害、社会保険の納付状況、労働者代表、組合、ストライキ状況、外 国人労働許可の取得状況などのチェックが行われます。

(3)最終コメントの提示
査察完了後、査察リーダーより最終コメントが提示され、改善すべき点が指摘されます。罰則については、法律上個別の定めがありますが、厳格には適用されていないものと理解しています。ただし、労働者担当レベルでは、来年度から規制を強める旨のコメントを受けていますので、注意が必要です。

◆ラオス編 税制概要について

今回は税法について解説します。現在、有効な主なものは、税法(2011年改正)、②付加価値税法(2009年)となります。その他改正税法の施行細則などは起草中といわれています。
特徴としては、税制・省令などの規定自体が不明確なため、恣意的な解釈、運用が行われており、予見しえない事態に直面することも多い状態です。また、ラオス―日本間の租税条約が未締結であり、二重課税のリスクもあります。
税金の種類には、直接税と間接税が存在しています。直接税には法人税、所得税、環境税などがあります。他方、間接税には、付加価値税や物品税などが存在しています。
(1)個人所得税
給与所得に対する所得税は、0~24%の累進課税方式。対象となるのは個人給与、報酬、賃金、賞与、時間外手当てなどの現金支給項目に加えて、現物支給も含まれます。
(2)法人税
法人税率は、原則として0~24%の累進課税方式。ただし、政府又は経済特区などとの協議、交渉により軽減税率が適用されるケースもあります。
(3)付加価値税
付加価値税の税率は、国内取引および輸入取引に対して10%。輸出取引については、0%課税となります。
(4)源泉徴収税
ラオスでは配当金の支払い、利息の支払いなどについて、源泉徴収税が課されます。

 

Yabumoto
JBL Mekong代表・藪本 雄登
カンボジアで数年間の実務経験を有し、ラオス提携事務所を往復しながら、新興メコン法務全般に従事。新興メコン地域の法務に関する知識と実務経験をもとに、メコン地域への進出戦略の策定、進出時のリーガルフォロー、紛争発生時の対応などを執り行う。
【主な著書・執筆実績】
『カンボジアで事業を興す』(キョーハンブックス、2014年6月)
『カンボジア進出・展開・撤退の実務』(同文舘出版、2014年4月)
『カンボジア会社設立マニュアル』(日系公的機関より受託)
『カンボジア労務マニュアル 第2改訂版』(日系公的機関より受託)
『ラオス労働法』(日系公的機関より受託)

JBL Mekong
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