芝浦工大・安齋工学博士、『3Dプリンターの有効活用法』とは

現在、バンコク国際貿易展示場(BITEC)で4日間にわたり開催中(6月27日まで)の『Manufacturing Expo 2015』において、開催初日の24日、芝浦工業大学デザイン工学部・工学博士の安齋正博教授が“3Dプリンティングの未来”をテーマに講演。その後、インタビューに応じた。

_DSC1134-1

安齋教授は「3Dプリンティングは“何でも作れる”というイメージを持たれがちだが、プリンティングには3D・CADデザインが必要でること、材料面などの制約もることをまず知ってほしい」と述べたうえで、「切削加工では、例えば加工に深さを得る必要がる場合は工具も長くしなければならず、長くしただけ仕上がりに誤差が生じやすくなる。また、溶かす技術を用いるレーザー加工では鏡面仕上げが難しい。このような不得手な部分でうまく3Dプリンティングで補うことができれば、QCDを向上させることができる」と3Dプリンティング技術が有効な製品加工ツールの一つでることを強調した。

 

3Dプリンティングが登場したには約20年前。材料の種類は年々増え続け、現在は約100種類の材料が使用可能だ。材料面での問題がなく、複雑な形状で、単価が高価なものに対して有効な手法でる3Dプリンティングだが、この“複雑な形状”“材料に問題なく”“単価が高価なもの”という条件をクリアできるアイデアがなければ、3Dプリンティング単体での活用は難しい。安齋教授は「そのアイデアのヒントは地域ごとに異なる市場ニーズを把握すること、そこに隠れているかもしれない」とまとめた。

 

_DSC1095

gototop