ASEANインフラメンテナンスセンター開設 日本の早大、タイのカセサート大学ら

早稲田大学佐藤靖彦教授

日本の早稲田大学やタイのカセサート大学が中心となって、タイを中心とした東南アジアの道路や橋梁のメンテナンスに係わる人材育成や技術開発などを目的とした「ASEANインフラメンテナンスセンター」が設立され、1月10日には記念のシンポジウムがカセサート大学で開催された。

タイなどではインフラの整備が徐々に進んでいるが、一方で既に整備されたインフラは車両の過積載などにより老朽化の加速が懸念されている。設立に向けて中心となって動いた早稲田大創造理工学部社会環境工学科の佐藤靖彦教授は「例え数が少なくても大きな荷重がある方が構造物の寿命への影響は大きい。先進国では道路や橋梁の維持管理は既に課題となっており、発展途上国でも今後問題になっていく。道路、橋梁の維持管理については日本に蓄積がある。ただ、日本の技術をそのまま持ってくるのではなく、現地に合うように一緒に作り上げていきたい」と語る。

シンポジウムではカセサート大学のアモン教授がタイの建物の耐震性に関して講演したほか、シンガポール国立大学のタン教授はチャンギ国際空港の改修について、佐藤教授はコンクリート構造物のライフタイムデザインについて講演した。

ASEANインフラメンテナンスセンターのセンター長はカセサート大学のワンチャイ教授が務め、佐藤教授とチュラロンコン大学のポンサック准教授が副センター長を務める。4月ごろに早稲田大内にもオフィスを設立し、日本でシンポジウムを開催する予定。

ASEANインフラメンテナンスセンターの開設記念シンポジウム

 

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