流通システム開発センター(GS1 Japan)、日本酒・物流可視化実証試験の成果を報告

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流通コードの管理及び流通標準に関する国際機関「GS1」に加盟する、一般財団法人・流通システム開発センターが『日本酒の物流可視化実証試験』を実施。その成果発表イベントが10日、タイ日系酒類輸入卸のSCS Trading運営のもと、バンコク都内のThe Okura Prestige Bangkokにて開催され、日タイ各物流業者らが出席した。

流通システム開発センターはJANコードをはじめとするさまざまな標準コードを活用し、業務の効率を高めるための標準システムの研究、管理、普及を推進している。今回はこれらの標準を用いた国際物流の可視化に焦点を当て、桝田酒造店(富山県)と車多酒造(石川県)、IBM Japan、凸版印刷など関係各社協力のもと、日本酒を対象に試験が実施された。

試験においては、まず商品自体に電子タグ(RFID)を貼付。サプライチェーンの特定箇所に商品が届いた時点で読み込み、その後、各箇所に届いたことを示す情報をコンピューター・サーバーに書き込む。これにより、流通経路が不明、つまり特定箇所を通らずに現れた不正商品の検出が可能となる。

この電子タグは凸版印刷の技術を導入することで、破損にも対応。さらに、日本酒の蓋を開けると電子タグが壊れるようになる仕組みで、中身をすり替える偽造にも対処できる仕組みになっている。

この試験の実施背景としては、消費者の食の安全を守るため、企業に生産段階、流通経路、温度管理など流通過程の情報開示・発信が求められていること。また、国際物流における粗悪な模造品の横行が日本のブランドだけでなく、食の安心と安全そのものを脅かす問題となっていることなどが挙げられ、生産者から物流業者を通り、小売に届くまでの流通経路の可視化が鍵となった。

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