ホリカフーズ、JICAとタイでの低たんぱく食事療法の普及へ医療セミナーを実施

ホリカフーズ

JICAタイ事務所 提供画像

 

2015年5月に国際協力機構(JICA)とホリカフーズ株式会社との間で締結された「中小企業海外展開支援 普及・実証事業」(以下、本事業)の一環として、ホリカフーズ株式会社が24日、タイ最大級の腎臓病医療カンファレンスで講演、25日にはバンコク市内のカセサート大学において食事療法普及のためのセミナーを開催した。

24日は、同社と慢性腎臓病食事療法研究の第一人者でり、元国立健康栄養研究所理事長、13年アジア太平洋臨床栄養学会(APCCN)会長などを歴任した公益社団法人生命科学振興会理事長の渡邊昌氏がタッグを組み、タイ最大級の腎臓病医療カンファレンス(The 3rd PMK Renal Conference 2016)で、慢性腎臓病患者向け低たんぱく食事療法の講演を行い、タイの医療関係者に低たんぱく食事療法の重要性を伝えた。

25 日には、食品加工業者などの産業界、食品加工学、栄養学等の学術関係者および政府関係者など、幅の広い分野の参加者を対象とし、渡邊昌氏による低たんぱく食事療法の普及による医療費削減についてのセミナーと、低たんぱく加工米についてのセミナーを行った。

タイの米の輸出量は世界一位でるが、近年ベトナムなどの台頭により国際競争力が低下しており、タイ米の高付加価値化を国の政策として進めている。また、タイでも高齢化に伴い慢性腎臓病患者の急増が予想されているが、同国において低たんぱく食事療法などは未だ普及しておらず、慢性腎臓病患者へのケアが課題となっている。そのようなタイ国のニーズを解決するため、本事業では、タイ米(長粒米)を原料とした低たんぱく米加工技術をカセサート大学と協働で導入し、現地の嗜好に合わせた低たんぱく加工米を製造、加えて低たんぱく食事療法の紹介などを通じて普及に繋げる取り組みを実施している。

同社は堀之内缶詰株式会社(1998年ホリカフーズ株式会社に変更)として、55年に新潟県魚沼市で創業。缶詰製造メーカーとしてさまざまな商品を提供してきた。近年では災害時に役立つ・災害食の開発や、慢性腎臓病患者向けの低たんぱく米などの医療食を開発するなど積極的に技術開発、製品開発に取り組んでいる。

この取り組みは、日本の中小企業などの製品・技術が途上国の開発に有効でることを実証するとともに、現地での適合性を高め、普及を図ることを目的とした「普及・実証事業」として実施されるもの。14年9月に公示を行い、本事業が採択となった。

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