JETROバンコク事務所がタイ知財局・税関等と真贋判定セミナー 日系企業12社が参加、ムクダハンでも

 

6月19日、経済産業省、JETROバンコク事務所主催による「真贋判定セミナー」がバンコク都内のホテルで開催された。2015年以来2年ぶり、4回目の開催となった今回は、過去最多の日系企業12社が参加。各社、自社商品の真正品/模倣品サンプルを展示し、タイ商務省知財局、税関、経済警察(ECD)、法務省特別捜査局(DSI)、検察庁などからのタイ政府機関関係者らに見分け方について解説を行った。

 

 

同所知的財産部長(東南アジア担当)の高田元樹氏は、本セミナーについて「タイ知財局や税関等の取締機関、そして多くの日系企業からの要望に基づき実施しています。タイの模倣品は約9割が中国からの流入によるものと言われており、レムチャバン港など海や空の入口に比べて陸の税関は監視の目が行き届きづらいことから、今回初めて、ラオスとの国境にるムクダハンにおいても、22日にセミナーを開催しました」と説明。東西経済回廊の要衝でるムクダハンは貿易量が多く、日系企業製品の模倣品摘発も多いエリアだ。

 

 

また、今回は従来からの輸送機器や電機、自動車部品メーカーに加え、タイで人気のバオバオ(イッセイミヤケ社)やオニツカタイガー(アシックス社)からも参加が得られた。
イッセイミヤケ社で経営統括部長を務める原田亘康氏、三宅デザイン事務所知的財産部の廣木麻美氏は取材に対し、「模倣品はブランドイメージの棄損につながる重要事項。消費者が誤って模倣品を購入してしまわないよう、本物の素晴らしさを伝えられるよう対策を講じています」とコメント。中国の模倣品生産工場の摘発をはじめ、タイでも税関登録を行うなど、各国で対応してもらっているという。

また、食品メーカーのキッコーマン社知的財産部主幹の荒井ゆみ氏は、「中国では模倣品工場の摘発に動いています。タイで今後見つかってしまった場合には摘発してほしい」と、今回の参加目的について話した。

昨年にはタイの商標法が改正されたほか、タイ政府の経済基本政策「Thailand4.0」の下、昨年策定された知的財産保護に関する20ヵ年ロードマップにおいても、国際貿易や経済成長に影響する知財の取締目標が設置されており、プラユット首相も自ら知的財産委員会の委員長を務めるなど、国家の知財保護に注力している。

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