南海通運、ミャンマーからバンコク陸送経由で日本への物流開始

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2015年8月末に開通したミャンマー山岳部を 迂回する新バイパス道路【南海通運提供】

 

南海通運株式会社は4日、ミャンマー国内工場から陸送で国境を経てタイ(バンコク)へ、さらにバンコク港から船便で日本主要港への一貫物流を今月より開始したと発表した。

今年4月に発表したタイ(バンコク)からミャンマー(ヤンゴン)への国境陸送混載便による輸入は物量・荷主数が上昇。 これに加えて、各荷主(特に衣料縫製関連企業)からは、逆方向のミャンマー発日本への輸出に対する納期短縮の要望が数多く寄せられていた。

その要望に応え、ミャンマーから陸送(トラック)でバンコクまで運び、バンコク港から船便(FCL)で日本主要港まで届ける「バンコク経由陸海ルート」を、約2週間(13~15日)の納期で実現。これは、本来の「シンガポール経由海上ルート」に比べて、約1週間の納期短縮となる。

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バンコク経由陸海ルートとシンガポール経由海上ルート【南海通運提供】

 

ミャンマーの商品を日本へ輸入する際に、輸入関税の優遇を受けることができる制度として、特恵(Form A)、日本・アセアン包括的経済連携協定(Form AJ)などがる。ミャンマーから日本向けにバンコク経由(第三国経由)の国境陸送物流を使った場合、この制度の利用の可否が不明でったが、トライアルを重ね、同社の仕組みを使うことで問題なく対応できる実証を得たと発表。

また、ミャンマー国境の町(ミャワディ)からコーカレイまでの約40kmの山岳部の悪路が国境物流のネックの一つとなっていたが、今年8月下旬にバイパス道路が開通、大幅に安全性が改善された。相互通行も可能となり、4時間の山越えも40分程度に短縮されたため、利便性も大きく高まったという。

今後の課題としては、ミャンマーとタイのトラックの相互乗り入れが認められていないため、国境での載せ換えと、バンコクでのコンテナバンニングの2回の作業が発生しており、価格の面ではヤンゴンからコンテナ船を使った場合に比較して、まだ割高となっていることが挙げられる。トラックの両国相互乗り入れの一日も早い実現が望まれており、実現されれば、価格を抑えることができるものと期待されている。

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