プラユット首相、アセアン各国の格差を乗り越えて魅力的な市場に

日本経済新聞社、日経グループアジア本社、タイ投資委員会(BOI)が6日、バンコク都内で日経フォーラム「ASEAN経済共同体(AEC)時代の事業戦略―日本の重要な製造中枢、タイ」を開催した。

基調講演したプラ ユット首相は「今年末のAEC発足に向けてアセアン各国の格差を乗り越え、支援し合うことで魅力的な市場になる」と述べ、タイ政府としてはビジネスチャンス拡大に注力していくことをアピール。日本企業にはBOI新投資奨励政策を活用した積極投資を求めた。

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タイ政府は国境地域10ヵ所に経済特別区の設置や通関手続きの迅速化などを積極的に行っており、国境貿易額は昨年の9,000億バーツから今年は1兆5,000億バーツに達することが見込まれている。

プラユット首相は「通関手続きにおいてはプロセスの簡易化、またガイドラインを策定して各関係当局が各自で判断できるようにすることで手続き時間の短縮をしていく」と話した。さらにカンボジア、ラオス、ミャンマーなどで道路・鉄道網のインフラ整備もタイが主導権を握り行っていく考えを示した。

そのほか、「中進国のわな」からの脱却に向け、産業高度化を目標に研究開発分野でGDP比を1%に高める方針でることや、農業生産物で高い輸出量を誇るゴムや米などを付加価値の高い加工品として輸出すること―など、対応策を述べたうえで、プラユット首相は“農業と産業”両方の発展が重要だと強調した。

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