パナソニックとAZAPA、モデルベース開発でEV電動パワートレインへの適用成功

パナソニックとAZAPAは8日、車載用途でのモデルベース開発において協業を進めており、その成果の一つとして、電気自動車(EV)の電動パワートレイン開発にこの手法を適用することに成功したと発表。

制御ロジック(ソフト)や制御対象(ハード)を、コンピュータでシミュレーション可能な数式やアルゴリズムで記述したものがモデルでり、これらモデルを利用した開発手法が一般にモデルベース開発と呼ばれている。

同手法を用いることにより、EVの電動パワートレイン(駆動装置)・コンポーネントをモデル化し、シミュレーション上でEVの電費を最大化するパワートレイン仕様を早期に導き出せるようになり、カーメーカーへのシステム提案力が強化されるとともに、従来の試作による仕様導出に比べ、開発期間を大幅に短縮することが期待される。

昨今、自動車開発では電動化への対応や安全運転支援機能の実装、ネットワーク化など、高機能化と複雑化が進み、自動車開発の上流工程(設計段階)の徹底的な効率化が求められている。その解決策の一つとして、モデルベース開発の手法を用いる重要性が拡大しているという。

今後も両社は共同でこの開発手法を自動運転技術など、安全・安心分野、インフォテインメント分野へ展開し、カーメーカーからの幅広い要望に対応していく考えだ。また、日本・経済産業省が中心となって進めている、モデルベース開発の普及促進にも積極的に参画していくという。

 

 

■EVの電動パワートレインへの適用事例【同社提供資料】

図A.EV全体のモデル化
パナソニックの有するデバイス、コンポーネントのモデル化技術とAZAPAの有する車両性能モデル・システム構築技術を組み合わせEV全体のモデル化を実現

図B.EV性能シミュレータ
EVモデルを元に、より活用しやすいインターフェースを有するEV性能シミュレータを開発。この結果、上流設計時に実機を作ることなく、シミュレーションを活用することで、電気自動車の電費を最大化する為のパワートレイン仕様の早期導出が可能となる

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