SME・ジェトロ、日系企業のIoTに関するセミナーを開催

【現場視察の様子】

東京都中小企業振興公社(SME)タイ事務所・ジェトロバンコク事務所は7月11日、「タイIOTセミナー&現場視察~IOTの取組の最前線~」をバンコク市内のホテルで開催した。セミナーの前半は日系企業3社によるIoTに関する取り組みの紹介と、SME、ジェトロ、タイ工業省産業振興局の取り組みを紹介した。後半は、ネットワーキング・個別相談会と、デンソーの人材育成施設の現場視察の二手に分かれたプログラムが用意された。

前半の取り組み事例で登壇したのは、新日鉄住金ソリューションズの子会社Thai NS Solutions Co., Ltd. General Managerの浦山泰英氏、特殊油圧シリンダの設計・製造販売を行う南武 タイ工場 Managing Directorの足立琢哉氏、デンソーインターナショナルアジア 副社長の藤井敬之氏の3者。

デンソーの藤井氏は、「タイは、アセアン他国に比べ労働賃金が高く、かつ、人口減少が進んでおり自動化は重要な課題。タイ工業省によると、タイ全土の工場数は約14万工場だが、2022年までに約9万工場を自動化する計画がある。大企業から自動化が進みその後に中小企業の導入が進むと予想される。タイのモノづくりの特徴は、日本流のモノづくりが定着していること。無駄を徹底的に排除した日本流リーンオートメーションは、人と設備の共創によりライン全体・工場全体の競争力を生み出すことができる。まずは無駄取りを行い、リーンなシステムを設計、そのうえで自動化を導入しているのがデンソーだが、IoTには人材育成が大切と考えている。デンソーでは、LASIプロジェクト∗を進めている。これは、日本の協力でタイ工業省内の敷地に開設されたIndustry Transformation Center(ITC)の事業の一つ。オープンな人材育成の場として、人材を育てタイの将来の競争力に貢献することを目的としている。ここでデンソー流の自動化について、学生らが体験しながら学ぶことができる」とデンソーの自動化の事例を述べた。

また、セミナーの後半は、ITC内にあるLASIプロジェクトの人材育成施設の現場視察を行った。

※LASIプロジェクト(リーンオートメーションシステムインテグレーター育成)
経済産業省が推進する「日ASEAN新産業創出実証事業」の一つとして、「Connected Industriesにおけるリーンオートメーションシステムインテグレーター(LASI)の育成検証」を、JETROから業務委託をうけ開始。次世代のリーンオートメーションを取り入れた生産ラインのショーケースを用いて、タイ国内で生産設備やFA機器などを取り扱うシステムインテグレーターの育成を行うもの。
タイ科学技術省イノベーション庁、タイの5大学、1教育機関、地場のシステムインテグレーター7社、野村総合研究所、レクサーリサーチとコンソーシアムを組んだ。

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