日タイ協力における小型コンテナ鉄道輸送、試験運用を開始

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アーコム運輸大臣(左)、志村務鉄道局次長(右)

 

日本から届けられた小型(12フィート)コンテナによる貨物鉄道輸送の試験運用開始式が5日、ラチャブリー県ノンプラドゥック駅にて開催された。式典には志村務日本国土交通省鉄道局次長、アーコム・トゥームピッタヤーパイシット運輸大臣、オムシン・シワプルク運輸副大臣、ウティチャート・カラヤナミットタイ国有鉄道(SRT)総裁ほか、約300名の事業関係者らが列席した。

日タイ両政府は2015年、鉄道分野において3つの協力覚書を締結し、幅広い協力を進めている。そのひとつに「南部経済回廊貨物鉄道整備事業準備調査(PPPインフラ事業)」がり、国際協力機構(JICA)は、同回廊に係る鉄道施設および貨物輸送事業の整備・改良に関する調査を同年11月より開始している。

これは民間連携事業でり、調査の企画提案企業は豊田通商株式会社および日本貨物鉄道株式会社(JR 貨物)。南部経済回廊路線は、カンチャナブリ-バンコク、バンコク-チャチェンサオ-アランヤプラテート、バンコク-チャチェンサオ-レムチャバンとなる。

調査結果を踏まえ、将来的に日本の貨物鉄道の運行・管理、コンテナ荷役などのノウハウをタイに提供することにより、タイにおける環境問題、物流コストの低減、貨物鉄道の活性化への貢献を目指している。

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小型コンテナ移動のデモンストレーション

 

タイでの貨物輸送においては現在、道路輸送が約8割を占め、鉄道シェアは1.4%に過ぎない。道路輸送は渋滞や事故による遅延、CO2 排出量などの問題がり、タイ政府は鉄道シェアを5%に上げるべく政策の具体化を図っている。

特に南部経済回廊は、日本企業の工場も多く進出する産業集積地帯もり、この地域の鉄道輸送の開発は、日本、タイ、そしてASEAN の経済発展のためにも重視されている。

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