日タイ修好130周年記念シンポジウムを開催

 

12月21日、国際交流基金バンコク日本文化センター、在タイ日本国大使館、タマサート大学東アジア研究所、タイ国元留学生協会(OJSAT)が主催した日タイ修好130周年記念シンポジウムが開催された。

基調講演を行った国際交流基金関西国際センター所長 赤木攻氏は、両国の関係が130年続く理由を考察し、「日本・タイともに口に出しているわけではないが、アジアの中でヨーロッパの植民地にならず独立を全うしたことに対して、同胞・兄弟意識が土台にあるだろう」と述べた。他にも、地理的に見ても程よい距離感があり関係性を保てること、仏教がベースにあること、皇室との関係性などの共通点を挙げた。

同時に、「2国の社会的・文化的背景は対極である」と語った。温帯の日本・熱帯のタイ、島国の日本・大陸国家のタイと、風土や衣食住をみても全く違う。日本社会とタイ社会を比較し日本は「かたい」「閉鎖的」「集団的」、タイは「ソフト」「オープン」「個人主義」と表現した。「普通に考えればま反対にあるため友好的に付き合うのは難しいが、対極にあることこそ関係が持続する力になる。磁石のように惹かれあう」と述べた。

また、「仕事でタイに来た日本人はタイの中に入り込んでいない、素通りしている。経済界に属している人はもう少し外を見て欲しい」と提言した。最後に「交流、Exchangeはもう古い。コーヒーとミルクが混ざり合うように、交流から混合・ミックスをこれからは目指していこう」と締めくくった。

2017年は日タイ修好130周年を記念して様々なイベントが行われてきた。同シンポジウムは1日をかけて、2本の良質な基調講演と3部のディスカッションが行われ、フィナーレを飾るにふさわしいシンポジウムとなった。

 

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