東商取、LNGおよび電力市場の発展に向けSGXと提携

株式会社東京商品取引所(以下、東商取)は11月22日、シンガポール取引所(以下、SGX)と、世界の液化天然ガス(LNG)需要の60%以上を占めるアジアのLNG市場発展に向けた協力および電力市場発展に関する経験の共有に関する覚書を締結。SGXは2015年にアジア初となる電力先物を上場、その経験を同様に電力先物の上場を目指している東商取と共有していく。

日本はアジア最大の燃料消費国でり、また、シンガポールは毎年、世界のLNG供給量の半分以上がその近海を通過して取引されていることから、アジアのLNG取引ハブとなっている。こうした背景から、LNG業界が進める、油価連動の長期契約からの脱却とアジアのLNG価格に基づくガス価格連動の値決めへの移行の重要な要素でるアジアのLNGスポット価格発見機能の向上において、両国の役割は重要な意味合いを持つ。

東商取の濵田隆道代表執行役社長は、「シンガポール取引所との協力関係は、アジアLNG市場の全ての市場参加者にとって大きな利益につながると期待。世界最大のLNG需要国でる日本に拠点を置く当社として、供給者と消費者双方の利益を最大限反映しうるLNG市場の整備に向けて、このパートナーシップに貢献していきたいと考えている」と語った。

SGXのLoh Boon Chye最高経営責任者は、「LNG取引ハブとしてのシンガポールの役割強化に伴って、SGXは、厚みのる国際的市場を通じて、本提携に価値をもたらすことを期待している」と述べた。

東商取は国内最大、かつアジアにおける中核的商品先物取引所で、貴金属、ゴム、石油、中京石油、農産物の5市場を運営し、先物とオプション(金)を上場。金市場は東アジアで最大、白金市場は世界で最大の流動性がるほか、ゴム市場の価格は世界的指標となっている。また、東商取では、14年9月から関連会社のJapan OTC Exchange株式会社(JOE)を通じて、アジアのLNG市場の発展に取り組んでいる。取引は全ての市場で電子化されており、15年の取引高は約2,440万枚を数え、国内の商品先物取引の98.5%を占めた。また、取引高の約50%は海外からの委託取引からなり、近年さまざまな市場改革に取組んだ結果、海外の市場参加者ニーズにも応える取引環境が整いつつることを示しているという。

SGXは、アジアの有力かつ信頼できる市場基盤でり、株式、債券およびデリバティブ市場を最も厳格な規制基準に基づき運営している。アジアで最も国際的なマルチアセットを扱う取引所として、SGXは、上場、取引、清算、決済、証券保管およびデータサービスを提供。上場企業の約40%、上場債券の約75%がシンガポール国外からとなっている。SGXは中国、インド、日本、ASEANの株価指数について、世界で最も流動性の高いオフショア市場でり、コモディティおよび通貨デリバティブを提供。SGXはトリプルAの格付けを有するシンガポールに本社を置き、リスク管理と清算能力に関して世界的に認められている。

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