月島機械、バイオエタノールの製造技術を実証、商業生産モデルを構築


バガスエタノールの製造プラント【同社提供画像】

 
月島機械は2日、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下、NEDO)の実証事業として、JFEエンジニアリングと共同で、タイ・サラブリ県に 建設したバイオエタノール製造プラントで、サトウキビの搾りかす(バガス)を原料に、オンサイト酵素生産技術を用いてバイオエタノールの製造技術の有効性を実証するとともに、技術面や採算面で実現可能な商業生産モデルを構築したと発表。

今後はタイをはじめ、東南アジア地域へ普及・拡大を図り、未利用資源を活用したエネルギー生産と温室効果ガスの排出削減への貢献を目指すという。

タイは近年の急速な経済発展により、エネルギー消費量が著しく増加傾向にるものの、その大半を輸入に依存しており、エネルギー供給不足への対策が喫緊の課題になっていることから、タイ政府はエネルギーの安定供給のために、バイオエタノールの増産を目指す方針を掲げている。

またタイは、世界トップレベルのサトウキビ生産量を誇る一方で、製糖工場では、砂糖生産の際にサトウキビを搾った後に生ずる搾りかす(バガス)が大量に発生しており、工場のボイラ燃料に使用する供給量の60~80%以外は余剰バガスとして有効利用されることなく廃棄されていた。バガスのようなセルロース系バイオマスを原料とするバイオエタノールの製造においては、原料費と酵素費がコストの大部分を占め、これら費用の低減は、普及を図るうえでの最重要の課題となっている。

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