カシコン銀行経済レポート

【連載】カシコン銀行によるタイ経済・月間レポート 2015年2月号

 デジタル時代の主流になるオンライン・モバイルゲーム

デジタル時代におけるコミュニケーション技術の開発、特に3G/4Gのモバイル・ネットワークへの投資により、スマートフォンやタブレットなどの携帯機器上で、消費者が映画や音楽など様々な娯楽を楽しむことができ、新世代の人々の日常生活の一部となっています。携帯機器上のモバイルゲームは、便利で時間、場所を問わずいつでもどこでもプレイでき、友達やソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)内の知り合いを容易にゲームに誘うことができるため、タイの消費者に人気のある娯楽の1つとなっています。
現在、タイのオンライン・モバイルゲームのプレイヤー数は急速に増加しており、2013年のプレイヤー数は、2011年から約30.2%増の1000万人を超えたものと見込まれます。カシコンリサーチセンターは、2014年にはプレイヤー数は1400万人を超え、2013年比で20.2%増加すると予測します。なお、カシコンリサーチセンターの調査結果によると、タイのモバイルゲーム・プレイヤーの中では、毎日モバイルゲームを楽しんでいる人の数が最も多く、全体の約41.0%を占めています。また、46.6%のプレイヤーが1日平均約1〜2時間をモバイルゲームに費やしています。
オンライン・モバイルゲーム提供企業の主な収入源は、ゲームの中で表示されるさまざまな商品・サービスの広告、およびゲーム内のオプション・アイテム販売による収入です。プレイヤーの支出について、ゲーム内での課金サービス利用者はプレイヤー全体の僅か17.5%に過ぎないことがわかりました。このうち、ゲーム内でオプション・アイテムを購入するための支出が最も多く、75.0%を占めています。すなわち、プレイヤーの82.5%がゲーム内ではお金を使っていないということが分かります。従って、モバイルゲーム提供企業が面白いゲームを開発することができれば、既存のプレイヤーに対しゲーム内でのオプション・アイテム購入を促進するチャンスとなると考えられます。
このようなデジタル時代における消費行動により、ここ3、4年、オンライン・モバイルゲームは、タイのオンライン・サービスを提供する企業にとって、1つの重要な選択肢となりました。それに加え、オンライン・モバイルゲームの開発コストはさほど高くないことから、オンライン・モバイルゲームはオンラインゲーム開連のソフトウェア開発分野を得意とする新規企業にとって市場参入のチャンスの1つとなっています。
従って、カシコンリサーチセンターでは、タイのオンライン・モバイルゲーム市場は成長を続け、2014年の市場規模は前年比14.7%増の26億6000万バーツ、2015年には市場規模が前年比15.4〜18.0%増の約30億7000万バーツ〜31億4000万バーツになると予
測します。

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■タイ経済最新情報 2月号 2015/2/27 (No.108)
監修:カシコンリサーチセンター
マクロ経済・投資調査部取締役副社長
Dr. ピモンワン マハッチャリヤウォン
マクロ経済調査主任研究者
ルチパン アッサラット
ハタイワン トュンカティラクン

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