中小企業社長兼経営コンサルによる、現場発-経営論

第6回 中小企業社長兼経営コンサルによる現場発経営論

第6回 中小企業社長兼経営コンサルによる現場発経営論

 Q:新型コロナウィルスの影響もあり、会社の経営が非常に苦しい状況にあるのですが、少しでも好転させる方法はないでしょうか。

A:前回はタイ政府の発表した景気対策の中から、事業に役立ちそうな政策について書きました。今回は日々の取り組みの中で経営を少しでも良くするコツについて考えてみたいと思います。

■ お金をいかになくならないようにするか

経営において一番苦しいのはお金がなくなることです。ですから、現在のような状況下で真っ先に考えなければならないのは、「お金をいかになくならないようにするか」です。その方法は上表の4つしかありません。この4つができれば、お金がなくなってしまうリスクが低くなります。

今の状況は①が難しいので、通常は人員カット等を通じた③を選ばれる方が多いと思います。もちろん、それにより支出が減るので、お金がなくなるリスクを軽減できるのは事実なのですが、これもやりすぎると本来事業継続に必要な経費まで削ってしまったり、過剰な契約の見直し要求で相手先からの信用を著しく損ねることになりかねません。

そこで私としては費用削減に加え、②お金の入りを早くし、④出を遅くするのに目を向けること、特に社内や関係会社の中でできることを積極的に行うことを推奨します。例えば、その方策としては次のようなものがあります。

② お金の入りを早くする方法

  • 請求書起票を業務終了後即時に行い、適時入金してもらえるようにする
  • 未入金の売掛金がある場合は督促の上、早めに払ってもらうようにする
  • 在庫で売却処分できるものがあれば、売却して資金化する(ただし、価値の下落について留意すること)

④ お金の出を遅くする方法

  • 親会社や関係会社への買掛金・ローン・利息の支払期日を伸ばしてもらう
  • オーナー企業の場合、オーナーが立て替えられる費用については立て替えておく
  • タイ政府が発表した景気対策の制度を積極的に使う(社会保険や税金などの支出を遅らせるものがほとんどです)

事業が順調な時はこのような「地味」なことを考える暇はないものですが、現状のような環境下では、今回触れたようなコツコツとした取り組みが実を結ぶのではないかと思います。

引き続き、私自身も含め、中小企業にとっては特に難しい時期ですが、前を向いて頑張って参りましょう。

寄稿者プロフィール
  • 倉地 準之輔 プロフィール写真
  • 倉地 準之輔

    日本で大手監査法人、外資系企業勤務を経て、2013年来タイ。外資系会計事務所のジャパンデスクにて日系企業向けコンサルティング業務に従事した後、15年10月にBizWings (Thailand) Co., Ltd.を設立。経営コンサルティング業務を提供し、現在に至る。公益財団法人東京都中小企業振興公社タイ事務所経営相談員。ジェトロ中小企業海外展開現地支援プラットフォーム・コーディネーター。公認会計士(日本)。東京大学経済学部経営学科、米ケロッグ経営大学院卒業(MBA)。

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