法務・会計・税務 2019.06月号

聞きたくても聞けなかった、タイの税金事情 法人税の基礎知識 -前編-

 タイで法人を設立した場合、株式会社はもちろんですが、売上の発生しない駐在員事務所であっても法人税申告を行う事が義務付けられています。タイの事業運営における法人税申告手続きがどのように行われるか、前編・後編の2回にわけて解説していきます。

 法人税の申告・納税の対象者はタイの法令や外国の法令に基づいて設立された法人でタイ国内において事業を営む者です。法人税中間申告(以下、P.N.D.51)と法人税確定申告(以下、P.N.D.50)の年2回の申告が必要です。確定申告は事業年度終了日から150日以内に申告・納税をします。日本の場合、原則事業年度終了日から2ヵ月以内に申告ですので、日本と比較すると申告期限が長く設定されています。

 中間申告は事業年度の中間期末日から2ヵ月以内に申告・納税をします。中間申告にはタイ独特のルールがあり、その期の年間推定所得を計算し、予測される法人税の半分の額を納付します。その推定所得が事業年度終了時点の実際所得と比較して25%以上下回った場合、中間申告時点の納税額が不足していたとみなされ、1・5%⁄月の延滞税や20%相当の罰金が科されます。中間申告時点の年間予測より上回った業績になれば喜ばしいことですが、罰金が発生する事もあるので厳密な予測をたてる必要があります。

法人税の申告方法は歳入局(日本の税務署)に対してP.N.D.50及びP.N.D.51というフォームを使い申告書を提出します。全ての法人がタイの公認会計士による監査済み財務諸表を添付して申告をしなければなりません。申告書はタイ語ですが、歳入局は英語版の申告書をWEBサイトで公開しています。
http:⁄⁄www.rd.go.th⁄publish/42364.0.html

 法人税率は20%。中小企業特例による減税措置や、投資奨励委員会(BOI)の恩典により免税となる企業もあります。日本の法人税の実効税率が約30%なので日本と比較して税率は低いです。

 法人税の手続きについて説明しましたが、日本と比較すると数多くの特色があります。次回のコラムでは今回に続き法人税の基礎知識-後編-をお届けします。


J Glocal Accounting Co., Ltd.
Managing Director
坂田 竜一

大学卒業後、証券化に特化した会計事務所勤務を経て2009年来タイ。大手日系会計事務所で5年間勤務し、日系金融機関ほか多くの日系企業の会計・税務・監査業務に従事する。2013年12月、J Glocal Accounting Co.,Ltd.を設立、タイと日本の会計・税務の専門家として日系企業へのサポートを行う。
www.jga.asia

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