2016.01月号

時事通信 特派員リポート

Vol.01 ダウェイ開発、日本の関与鮮明に=推進母体に33%出資(バンコク支局 近藤 泉)

jiji

jiji

ミャンマー南部のダウェイ経済特区(SEZ)開発計画をめぐり、国際協力銀行(JBIC)が推進母体の特別目的事業体「ダウェイSEZデベロップメント」に600万バーツ(約2000万円)を出資することが決まった。日本が3カ国等分の出資に応じたことで、「プロジェクトへの参加意志が明確になった」(タイのソムキット副首相)と受け止められ、技術や資金面での日本の貢献に期待が高まっている。

印・中東へのゲートウエー

ダウェイ開発は、インド洋に面するダウェイ港を大型タンカーが停泊できる深海港に整備し、その周辺に工業団地や水道、道路、電力などインフラ施設を一体的に開発する構想だ。開発面積は270平方キロメートルと、東南アジア有数の工業団地、タイのイースタンシーボードのおよそ10倍。事業費は数百億ドル規模と推定されている。
ダウェイはベトナムからカンボジア、タイを経て、ミャンマーへと続く「南部経済回廊」の西の終着点。ここがバンコクとつながれば、メコン一帯で製造された部品や完成品を「インドや中東向けに輸出するゲートウエー」(日系物流業者)となる。タイが国境沿いのカンチャナブリ県とダウェイを結ぶ2車線道路の整備を「最重要事業のひとつ」(アーコム運輸相)と位置付けるのも、交通の要衝としてのダウェイの重要性を認識しているからだ。

jiji
ダウェイ経済特区の開発現場(AFP=時事)

 

タイ、ミャンマーの温度差

ダウェイ開発への取り組みで積極的なタイに比べ、ミャンマーは慎重な態度が目立つ。最大都市ヤンゴンの恒常的な停電や慢性的な渋滞など、緊急に解決すべきインフラ上の課題が山積しており、ダウェイ開発の優先順位は必ずしも高くないためとみられる。
関係筋によると、日本がミャンマーにダウェイ開発の資金の一部として円借款の供与を打診したのに対し、ミャンマーは借り入れに難色を示したという。
巨額の開発資金の調達は今後の大きな課題だが、「一定の公的資金が投入されない限り民間資金は呼び込めない」(金融筋)のは事実。ミャンマーの煮え切らない態度が、今後の事業進展に影を落とす。
ミャンマーで来春、政権交代を控えていることも不透明要因のひとつだ。新政権を担う国民民主連盟(NLD)は先の総選挙前にまとめた政策公約で、「環境を守るため大型発電所の整備は慎重に対応する」と主張。ダウェイでは環境保護を求める地元住民による反対運動も起きており、新政権がこれにどう対応するかが注目される。
※この記事は時事通信社の提供によるものです。

jiji
タイのソムキット副首相(ArayZ撮影)

 

gototop