2019.12月号

カシコン銀行経済レポート

【連載】カシコン銀行経済レポート 2019年11月号

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Arayz x KASIKORNBANKイメージ画像

タイ経済・月間レポート(2019年11月号)

9月のタイ経済は引き続き減速傾向

2019年9月のタイ経済は前月から引き続き減速傾向にあります。輸出、民間投資、工業生産の落ち込みのほか、民間消費の伸びが緩やかになったことが響きました。一方で、観光業は引き続き拡大しています。

19年10月の消費者物価の上昇率は、前年同月比0.11%上昇し、前月から伸びが減速しました。果物・野菜や米・粉製品を中心とした食品・飲料部門の価格上昇が全体を押し上げました。しかし、燃料価格の下落に相殺される形で、19年1月以来の緩やかな上昇率となりました。一方で、振れ幅の大きい生鮮食品とエネルギーを除くコア・インフレ率は同0.44%の上昇で、前月から伸びが横ばいとなりました。

最近、タイの物流業界ではデジタル技術を活用した新たなビジネスモデルが多数生み出されています。そのうちの一つがeロジスティクスアグリゲータです。

eロジスティクスアグリゲータは、eコマース運営において欠かすことができないeコマース物流サービスを提供しています。このeコマース物流サービスの特徴は、タイのeコマースを活用した中小企業向けワンストップサービスソリューションになる点です。

19年、タイのeロジスティクスアグリゲータの売り上げは70%急増し、35億バーツに上ると予測されます。タイのB2Cのeコマース市場の拡大に伴い、タイの物流需要も増加し、eロジスティクスアグリゲータの売上も今後さらに増加すると予想されます。

2019年9月のタイ経済情報

タイ中央銀行が発表した2019年9月の重要な経済指標によると、タイ経済は前月から引き続き減速傾向にあります。輸出が収縮を続けていることに加え、工業生産と民間投資も減少傾向にあります。一方で、民間消費と外国人旅行者数は引き続き拡大しています。

9月の民間消費は前年同月比1・3%上昇し、前月に引き続き拡大しています。その主な牽引役は、サービスが前年同月比3・7%、旅行者の支出は同7・5%、半耐久消費財が同1・3%、非耐久消費財が同1・1%それぞれ上昇しました。しかしながら、耐久消費財は同5・7%下落しました。

一方で、民間投資は前年同月比3・9%縮小しました。機械・設備を中心とした資本財の輸入が前年同月比2・6%、建設認可を受けた土地の面積が同4・1%、商用車の購入が同3・8%、建材の販売が同1・6%、国内の機械販売が同8・0%それぞれ下落しました。

9月の輸出は、前年同月比1・5%減の204億米ドルとなりました。米中貿易摩擦による世界経済の鈍化や、電子部品市場の低迷、国際原油価格の下落などの影響で下落しました。

工業生産に関しては、前年同月比4・7%減となり、5カ月連続でマイナス成長となりました。外需の落ち込みにより、工業生産も縮小しました。

観光業では、外国人観光客数が前年同月比10・1%増の290万人となりました。中国とインドからの旅行者が拡大傾向にあることが原因です。また、昨年7月に南部プーケットで起きた観光船の転覆事故後に中国人旅行者が落ち込んでいた低ベース効果もあります。

2019年9月のタイ経済指標成長率(Y-O-Y: 前年比)画像

2019年10月のタイのインフレ率

商務省が発表した19年10月のヘッドライン・インフレ率は、前年同月比0・11%上昇し、前月から伸びが減速しました。3カ月連続で減速傾向にあります。果物・野菜や米・粉製品を中心とした食品・飲料部門の価格上昇が全体を押し上げました。しかしながら、燃料価格の下落に相殺される形で、19年1月以来の緩やかな上昇率となりました。

品目別にみると、非食品・飲料部門が前年同月比1・09%収縮しました。住宅が同0・37%、娯楽・教育が同0・76%それぞれ上昇した一方、運輸・通信は同3・43%下落し、全体の伸びを押し下げました。一方で、食品・飲料部門は同2・22%増となりました。米・粉製品の上昇率が同8・88%、肉・魚が同2・19%、果物・野菜が同6・03%それぞれ上昇しました。

一方で、振れ幅の大きい生鮮食品とエネルギーを除くコア・インされる形で、19年1月以来の緩やかな上昇率となりました。

品目別にみると、非食品・飲料部門が前年同月比1・09%収縮しました。住宅が同0・37%、娯楽・教育が同0・76%それぞれ上昇した一方、運輸・通信は同3・43%下落し、全体の伸びを押し下げました。一方で、食品・飲料部門は同2・22%増となりました。米・粉製品の上昇率が同8・88%、肉・魚が同2・19%、果物・野菜が同6・03%それぞれ上昇しました。

一方で、振れ幅の大きい生鮮食品とエネルギーを除くコア・インフレ率は、前年同月比0・44%の上昇で、前月と比べ横ばいとなりました。

民間消費及び民間投資(成長率:前年比)

輸出、工業生産、外国人観光客数(成長率:前年比)

ヘッドラインインフレ率及びコアインフレ率(成長率:前年比)

食品・飲料と非食品・飲料の価格(成長率:前年比)

2019年10月~11月の外為相場

ドル/円相場は10月~11月上旬にかけて円安の方向に動きました。背景として米連邦準備制度理事会(FRB)が10月30日の連邦公開市場委員会(FOMC)で19年3度目の利下げを決めるとともに、利下げ休止を示唆したことを受けて約3カ月ぶりに109円台まで上値を伸ばしました。

そして、11月8日に中国政府が米国との閣僚級協議で段階的に追加関税を撤廃することで一致したと発表したことを受け、貿易摩擦が緩和するとの期待が広がりました。投資家がリスクを取り、安全資産とされる円を売ってドルを買う流れが優勢となりました。

ドル/タイバーツ相場は10月にバーツ高の方向に動きました。バーツは10月1日には1ドル30・6バーツ台から10月31日には1ドル30・1バーツ台となり、約6年ぶりの高値水準となりました。バーツ高などを抑制するため、タイ中央銀行は11月6日の金融政策委員会で、政策金利を従来の年1・5%から0・25%下げ、1・25%にすると決めました。

政策金利の引き下げは8月に引き続くもので、19年2度目となります。今回の利下げ判断は想定どおりで、短期的にはバーツ高を抑制する効果が見られます。バーツは一時1ドル30・4バーツ台まで戻りました。

円対米ドル為替レートの変動

バーツ対米ドル為替レートの変動

バーツ対米ドル為替レートの変動

eロジスティクスアグリゲータ―新たな物流サービス

現在、タイの物流産業では企業間競争が激化し、特に陸上輸送事業は企業数(17千社以上)が最も多く、売上高総利益率が比較的に低くなっています。過去5年間、タイにおいてDHLやCJ Logisticなどの国際物流会社は、元々輸出向け製造業に対する物流サービス提供を中心としていましたが、最近タイ国内企業に対する物流サービスの提供を始めました。このような状況の下、物流企業間競争が今後さらに激化していくと思われます。

これらの国際物流会社は、IoT、ビッグデータ分析、AIなどのデジタルソリューション技術による物流センターの高度化サービスを提供し、物流革命に取り組んでいます。これらの新技術により、約5%~6%の利益改善を実現できると言われています。

最近、タイの物流業界ではデジタル技術を活用した新たなビジネスモデルが多数生み出されています。そのうちの一つがeロジスティクスアグリゲータです。eロジスティクスアグリゲータは、eコマース運営において欠かすことができないeコマース物流サービスを提供しています。

このeコマース物流サービスの特徴は、タイのeコマースを活用した中小企業向けワンストップサービスソリューションである点です。これらのeロジスティクスアグリゲータはデジタル化を通じて物流サービスの販売チャネルを設けますが、実際にトラックなどの輸配送手段は所有していません。配送等の物流業務はそれぞれ複数の物流会社に委託する体制です。

そのため、物流会社とのパートナー関係が必要になります。従って、日系物流会社にとってはタイのeロジスティクスアグリゲータのパートナーとなるチャンスとなります。

18年には、タイのeロジスティクスアグリゲータの売上は対前年比81%急増し、21憶バーツに上りました。19年は、タイのeロジスティクスアグリゲータの売上は対前年比70%急増し、35億バーツに上ると予測されます。タイのB2Cのeコマース市場の拡大に伴い、タイの物流需要も増加しており、eロジスティクスアグリゲータの売上は今後さらに増加すると予想されます。タイのeコマース物流事業は将来性の高い事業だと考えられ、新規顧客開拓の促進が今後の課題となりま す。

※本資料は情報提供を唯一の目的としており、ビジネスの判断材料とするものではありません。掲載されている分析・予測等は、資料制作時点のものであり、今後予告なしに変更されることがあります。また、予測の妥当性や正確性が保証されるものでもありませんし、商業ないし何らかの行動の為に採用することから発生した損害の責任を取れるものでもありません。本資料の予測・分析の妥当性等は、独自でご判断ください。

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