特集 2015.06月号

大メコン圏を繋ぐ、道路と鉄道の未来 アセアン・タイの交通網

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タイ+1、AEC発足とアセアンの結びつきはますます強まっていく。
その中でヒト、モノを運ぶ大動脈として重要な役目を担うのが交通インフラ網だ。
アセアン、タイ、バンコクと3つの次元から道路、鉄道の現状と未来に迫る。

アジア大陸32ヵ国を繋ぐ国際道路網 アジアハイウェイ・プロジェクト

アジアハイウェイ・プロジェクトは日本を含め、アジア地域に属する国のほとんど、現在32ヵ国が参加する総延長約14万2000kmの国際道路網だ。
日本にはAH1路線が東京〜福岡間を通り、この路線は福岡からフェリーで日本と韓国を繋ぎ、14ヵ国を経由してトルコ│ブルガリア国境までの延長約2万kmを結ぶ。アジアの大動脈〝アジアハイウェイ〞に迫る。

アジアの国際道路網を目指して発足

アジアハイウェイはパン・アメリカン・ハイウェイやヨーロッパ・ハイウェイのような国際道路網をアジアにも完成させようという構想の下、国連を中心に1950年代半ば頃から検討が始まった。59年になり、国連アジア太平洋経済社会委員会(ESCAP)の前身である国連アジア極東経済委員(ECAFE)総会でアジアハイウェイ計画が採択され、この構想は具体化に向けて第一歩を踏み出すこととなる。
当初の目的はアジアとヨーロッパを結ぶ道路網を形成することで、地域間および国際間の経済・社会開発に貢献し、かつ貿易と観光産業を育成しようというものであった。発足当時の加盟国は、アフガニスタン、バングラデシュ、カンボジア、インド、インドネシア、イラン、ラオス、マレーシア、ミャンマー(正式加盟は88年)、ネパール、パキスタン、シンガポール、スリランカ、タイ、旧南ベトナムの15ヵ国と、アジア大陸南側のほぼ全域を網羅していた。

アジアハイウェイ・ネットワークの変遷

アジアハイウェイは計画加盟各国の首都、需要都市、需要港湾、工業の中心地などを結ぶことを基本として選択され、全41路線、道路総延長約6万5000kmの道路からなるアジアハイウェイ・ネットワークが決定された。なお、81年にはフィリピンが計画に参加し、アジアハイウェイ・ネットワークの総延長は約6万8000kmまで到達する。
計画の発足後、国連開発計画(UNDP)や先進諸国の援助、および加盟各国の努力により同計画はかなりの進展を見せ、多くの加盟国のアジアハイウェイ・ネットワークはその延長を伸ばし、かつ改良されていった。特に68年以降はESCAPの下部組織としてアジアハイウェイ運輸技術事務局が設置され、関係国の調整と技術面での指導・援助が行われた。

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アジアハイウェイ「AH1」の標識
カンボジアとの国境の町、タイ・アランヤプラテート付近にて

1992年、ESCAPはアジアハイウェイとアジア横断鉄道網および陸上輸送容易化施策から構成される、アジア陸上交通インフラ整備(ALTID)計画を採択。ESCAP事務局は日本政府からの資金援助を受けて一連の調査を実施し、第1次調査の報告書が95年に出版された。この最初の調査で29本のアジアハイウェイ路線、総延長6万9000kmを確定。
96年、アジアハイウェイ路線網の第2次の調査が中央アジアと南コーカサス地域を対象として実施され、13本の路線、総延長2万1000kmが追加された。さらに99年、トルコ国内のアジアハイウェイ路線が合意され、総延長3200kmのアジアハイウェイが路線網に追加されることになった。
ALTID実施戦略では、アジア全域をカバーするアジアハイウェイ路線を選定することの重要性を強調している。この重要性を鑑み第3次の調査が2001年に実施され、中国、カザフスタン、モンゴル、ロシア連邦および朝鮮半島のアジアハイウェイ路線が選定された。これらの路線はアジアハイウェイの北部回廊を構成し、北東アジアと中央アジア、コーカサスおよびヨーロッパを効率的に結び付ける路線網であり、総延長約4万kmの道路網がアジアハイウェイ路線網として選定されることになった。
01年および02年には、グルジアとブータンでアジアハイウェイ路線が確定。02年5月、30ヵ国の加盟国が参加して専門家会合が開催され、路線網全体の見直しを行い、31ヵ国の都市にまで路線を延長。総延長14万1000kmのアジアハイウェイ路線網が確定された。
03年11月には日本がアジアハイウェイ・プロジェクトに参加し、東京〜福岡間が路線網に含まれることになった。また、ブルネイもアジアハイウェイ・プロジェクトへの参加に前向きな関心を表明している(図表1)。

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