近年注目されるプログラマティック広告 オランダ発BIDMATHのソリューションとは

広告市場の中でも規模が年々拡大しているデジタル広告にあって、欧米などで主流となっているプログラマティック広告。これによって、蓄積されたデータを基にデジタル広告の対象を枠から人へと変えることに成功した。

前回の記事では、プログラマティック広告とは一体どんな手法なのか、そのメリットなどについて説明した。今回は、日系大手含め数々の世界的クライアントを抱えるオランダ発のプログラマティック広告ソリューション会社BIDMATHについて紹介する。

Q.BIDMATHはどのような会社でしょうか?

DIRECTORのKK Sharma氏(左)とCHIEF STRATEGY OFFICERのNathaniel Acton氏

DIRECTORのKK Sharma氏(左)とCHIEF STRATEGY OFFICERのNathaniel Acton氏

KK BIDMATHは2012年にオランダで誕生しました。その後、プログラマティック広告の分野で市場の成長が著しいアジア太平洋地域に注力し、現在は2019年に設立されたタイの他、ベトナム、インド、香港、日本にも拠点を設けて重点的に展開しています。その中でもタイは各地へのアクセスが便利なため、地域の中でハブの役割を果たしています。

弊社のスタッフにはGoogleやFacebookなどの大手プラットフォームや世界的な広告代理店出身者が揃っています。豊富な経験とノウハウを持ったプロフェッショナル集団として、お客様に最適なソリューションを提供することができます。

私共の方針の一つは徹底した透明性です。広告主様がご用意した予算が、どんなプラットフォームにいくら使われたのか、それらがどのような効果を生んだのか、どれくらいのターゲット層に到達することができたのか、すべてのデータを公開します。ですので、広告主様は予算がどのように消化されたのか安心してプロジェクトを進めることができます。

また、先ほど触れたようにスタッフ一人ひとりの専門性が高いため、次々と生まれる新しい技術をすぐにキャッチアップし、お客様に提供するソリューションに適切な形で活用します。

それらのかいもあって、タイの大手通信事業であるDTAC様や香港の航空会社Cathey Pacific様、イギリスの家電メーカーDyson様、日系企業の三菱自動車様らも弊社のクライアントになっております。

Q.これまでに提供したユニークなソリューションはありますか?

Nathaniel Acton(以下、Nate) ベトナムにおける大手食品企業A様の事例をご紹介します。様々なブランドの商品を展開しているA社様には、「雨が降ると海鮮が食べたくなる」「暑い日はサラダが食べたい」という意見が消費者から寄せられていました。そこでプログラマティック広告を通してそれらを検証することになりました。

ユーザーの地域情報とリアルタイムの気象データを掛け合わせ、一定の気温の差から現地の気候に合ったと思われる商品のレシピ広告をユーザーに自動的に表示させることにしたのです。さらに商品だけでなく背景などにも複数のバリエーションを持たせ、それらをAIによって自動的に組み合わせることで2,500種類もの異なるバージョンを創り出すことに成功しました。

この天気をトリガーにした広告は500万人以上のユニークユーザーに提供され、従来の広告よりも136%高いCTR(クリック率)を達成しました。真の意味でのパーソナライズされた広告を実現することができました。

Q.今後の事業展望を教えてください。

KK デジタル広告ではより適切なターゲットに適切なタイミングでアプローチするため、AIの活用が進んでいます。従来、広告会社のマーケターの人たちは四六時中パソコンの画面に向き合い、各掲載サイトのパフォーマンスをチェックし、掲載の調整をしたりしていました。しかし、これからはAIによってますます効率化が進んでいきます。弊社もAIを用いたソリューションの導入を進めて行きます。

また、アジア太平洋地域において、プログラマティック広告はまだ拡大の途上にあります。これからもこの地域で新たな市場およびクライアントを開拓していきたいと思っています。

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