中小企業社長兼経営コンサルによる、現場発-経営論

第10回 中小企業社長兼経営コンサルによる現場発経営論

Q:事業が新型コロナウイルスの影響を受けており、タイ人の会計スタッフにも経営分析や、それを踏まえた経営の改善提案を出してほしいのですが、なかなか上手くいきません。どうすればよいでしょうか。

A:平時からこの質問を受けることは非常に多いのですが、上手くいかない理由は大まかに二つあると考えています。

タイ人会計スタッフのスキルのミスマッチ

一つは、タイ人会計スタッフのスキルのミスマッチです。一般的に事業会社において会計スタッフとして勤務するタイ人スタッフは、会計記帳者として図表1のような要件を満たしていることが多いと思います。

一方で、自社の経営を分析して改善提案をしようとすると、図表2の各スキルが必要になるはずです。

通常の会計記帳者は①の教育・経験は積んでいたとしても、②と③の経験を積んでいないことが多いです。

例えばタックスインボイスに記載されるべき内容が何か把握していることは、①のスキルがあるという意味で会計記帳者には重要ですが、それが即ち経営分析や改善提案に繋がるわけではないというのは、お分かりいただけるかと思います。

結果として、会計記帳者である社内の会計スタッフに経営分析や経営改善提案を依頼しても、適切な回答が出てこないということになります。

日本人マネジメントの指示が不明瞭であること

もう一つは、日本人マネジメントの指示が不明瞭であることです。私自身への自戒の意味も込めてますが、マネジメントが何を求めているか明確になっていない指示を出しても、ほとんどの場合良い結果に結び付きません。

例えばいつまでに、何を、どれくらい、どうしたいか、という点を明らかにすれば、タイ人スタッフからの反応もだいぶ良くなると思います。

経営が困難な状況にある時、自分の頭を整理し、その上で的を得た指示を出すのは難しいものですが、こんな時だからこそ、焦らず対応することが肝要かと思います。

寄稿者プロフィール
  • 倉地 準之輔 プロフィール写真
  • 倉地 準之輔

    日本で大手監査法人、外資系企業勤務を経て、2013年来タイ。外資系会計事務所のジャパンデスクにて日系企業向けコンサルティング業務に従事した後、15年10月にBizWings (Thailand) Co., Ltd.を設立。経営コンサルティング業務を提供し、現在に至る。公益財団法人東京都中小企業振興公社タイ事務所経営相談員。ジェトロ中小企業海外展開現地支援プラットフォーム・コーディネーター。公認会計士(日本)。東京大学経済学部経営学科、米ケロッグ経営大学院卒業(MBA)。

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