2016.11月号

もう悩まない!人材採用&育成のコツを解説 Vol. 9 タイ人事相談室|en world

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タイで日系企業への人材紹介に携わり7年の経験を持つ下川ゆう氏が、人材採用や育成にお悩みの読者様へコツを解説する本コラム。
『優秀人材を探す方法と採用のポイント』の最後は企業側の提示について。
優秀なタイ人材は、どのような企業に魅力を感じるのでしょうか―。

“求める優秀人材〞を採用するために必要な4つの事項

①採用方法の使い分けとパートナーの選び方

②社内採用担当者の決定とターゲット人材の明確化

③組織図とジョブディスクリプションの準備

④優秀人材を口説くためのアピールと魅力付け

企業としての目標や方向性は求職者と共有できているか

前回は、④優秀人材を口説くためのアピールと魅力付けのポイントとなる「魅力的な条件提示」についてお話しました。今回は、もう1つのポイントである「魅力的な条件提示に代わる、企業が共に達成したい目標や方向性の説明とその先のキャリアパスの提示」についてお話します。
優秀人材を採用するには、給与だけでなくパフォーマンスに応じたコミッションやボーナス、その他特別なポジションなど魅力的な採用条件を提示することで企業をアピールします。企業の発展のために優秀人材を採用することはつまり、企業が人材の将来のパフォーマンスに期待し、投資するということです。
しかしながら、採用の際に企業が求職者への期待値を具体的に提示し、共に達成したい目標や方向性が共有できているケースは稀です。企業側は共有をしたつもりでも、内容に具体性がないために、入社後に解釈違いが発覚して揉めたり、退職にまで至るケースもあります。面接を受けているうちは求職者にも遠慮があり(タイ人には特に〝グレンジャイ〟という遠慮の文化があります)、入社後に具体的な話し合いがあるだろうと入社したものの、目の前の実務に追われて曖昧なまま時間が経ち、目標を見失えば、優秀人材のモチベーションはダウンしてしまいます。

目標からキャリアパスを設定

採用の意向を持って最終面接を行う際は、事前に企業が抱えている問題点と採用背景、採用後に期待する目標を求職者と共有し、問題解決のためのソリューションをプレゼンテーションしてもらうなど、企業側が求める期待と求職者が採用後に企業にコミットするリターンの擦り合わせを行うことをお勧めします。
当然、面接段階で社内の実情すべてを共有することは難しく、採用後に結果が出るまで時間がかかる場合もありますが、少なくとも「一緒に解決していこう」という気持ちを共有するのとしないのでは、入社後すぐの離職率が大幅に違ってきます。
企業には目指す目標と、その達成に必要な人材と共に向かう方向性があり、それに伴う職務内容と責任範囲、そしてそれに対する報酬と評価があります。入社前、入社後には方向性の理解に対する擦り合わせを定期的に行い、共に目標を達成する意識を互いに持つためのコミュニケーションを取ることが重要です。
日系企業の「長期的に働いてほしい」という期待に関しても、求職者が目標を達成する過程で結果に応じた昇格があること、企業が成長していく中で、共にどのように成長していけるのかというキャリアパスをセットで提示をすることも、アピールと魅力付けのポイントとなります。

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下川 ゆう yu shimokawa
en world Recruitment (Thailand) Co., Ltd.
日系チーム チーム・マネージャー
立教大学卒業。大手人材紹介会社の東京本社で経験後、2009年に来タイ。
以来、在タイ日系企業への人材紹介に従事。顧客企業の組織発展のための採用支援を得意とし尽力している。

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