聞きたくても聞けなかった、タイの税金事情

VAT(付加価値税)の基礎知識-前編-

タイで法人を設立し事業を行った場合、一般的な事業会社の多くは、VAT(付加価値税)を申告納税しなければなりません。タイの事業運営におけるVATの申告手続きがどのように行われるか前編、後編の2回に分けて解説していきます。
タイにおけるVATとは、日本における消費税と同じ間接税で、最終消費者(私達一般の消費者)が税金を負担します。物品の購入、飲食代等を支払う際VATを払います。
現在VATの税率は7%。本来税法では10%とされていますが、時限立法にて低い税率が採用されています(今年も1年延長が決定しています)。日本の消費税率が10%(2019年10月現在)ですのでタイの方が低税率です。
タイで事業を行う事業者は年間売上高が180万バーツ以上ある場合に、歳入局(税務署)にてVATの課税事業登録をしてVATの申告をしなければなりません。一般的に日本人がタイ国内で法人を作り事業を行う場合、このVATの課税事業登録を行い申告を行っています。
VAT登録事業者になった場合、毎月1日~月末でVATの集計を行い、翌月の15日までに申告書を歳入局に申告しなければなりません。税金の支払いが無い場合であっても課税事業者は申告義務があります。
日本では年1回(原則)の申告となりますが、タイでは毎月税金計算と申告が必要のため、会計事務作業の負担が非常にかかります。
タイのVATは日本の消費税と同じ性質の税金なので、馴染みやすい内容かと思います。しかし、課税のルールなど日本の消費税と大きく異なる部分があります。次回はVATの実務的な処理について解説していきたいと思います。


J Glocal Accounting Co., Ltd.
Managing Director
坂田 竜一

大学卒業後、証券化に特化した会計事務所勤務を経て2009年来タイ。大手日系会計事務所で5年間勤務し、日系金融機関ほか多くの日系企業の会計・税務・監査業務に従事する。2013年12月、J Glocal Accounting Co.,Ltd.を設立、タイと日本の会計・税務の専門家として日系企業へのサポートを行う。
www.jga.asia

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