タイにおける固定資産管理の在り方について

第2回「固定資産現物管理の最適化について」

弊社は「ProPlus」という固定資産管理システムを専門的に開発・販売しているパッケージベンダーです。累計導入実績は4,500社超、グローバルでも17ヵ国113の法人にご利用いただいております。日本のパッケージではありますがタイの税務要件にも標準対応しており、タイでは20社程の企業に導入経験があります。今回は、固定資産現物管理の最適化についてお話いたします。

■タイにおける現物管理の難しさ

まずは前回のおさらいになりますが、タイでは固定資産計上において、金額の基準が存在しません。このため、金額の低い小さなモノが固定資産に多くなるのが、タイの特徴でした。小さなモノは視覚的に見つけにくく、頻繁に移動し紛失もしやすいため、現物管理が大変です。また、持ち運びやすい小さなモノは残念ながら盗難されてしまうケースもあり、リスク管理の観点でも現物管理の徹底は非常に重要なテーマです。

■課題の本質を見極める

現物管理の課題を解決するために重要なのは、その課題の本質がどこにあるのかを見極めることです。
例えば、「資産ラベルを用いて現物管理を行っているが、資産が頻繁に移動するため、ラベルに記載してある管理部門の書き換えと貼り換えに手間がかかっている」という課題があったとします。この課題に対する解決策は、ラベルの書き換えや貼り換えを素早く行うことができる仕組みを導入することでしょうか?答えはNOです。私の見解では、「資産ラベルに記載する内容を見直すこと」が解決策です。この場合、なぜ資産ラベルの貼り換えが手間になるのかを考えると、資産が頻繁に移動するにも関わらず、その度に書き換えが必要な管理部門の情報を資産ラベルに記載しているからです。資産ラベルに記載する情報は、管理番号や購入価額、取得日などの不変な情報に留め、極力貼り換えを必要としないようにすることをお勧めします。

■システムによる効率化

先の例のように運用やルールの見直しで解決できる課題もありますが、棚卸の正確性の向上や効率化を実現するためにはITのチカラが必要です。プロシップでは、現物管理を支援するSaaS型のソリューション「ProPlus Pit」を開発・販売しております。ProPlus Pitは、物品情報の更新、画像のアップロードをスマートデバイスからリアルタイムで行うことができるため、物品の使用状況、保管状況をより正確に把握することができます。バーコード検索や画像データにより、棚卸時の物品特定もペーパレスでスピーディーに実施可能です。また、柔軟なI/Fにより、他システムとのCSVファイルによる情報連携を実現します。試供環境の貸し出しも可能ですので、興味を持たれた方はぜひ一度お問い合わせください。次回は経営判断に役立つ固定資産管理の高度化についてお話します。

 


株式会社プロシップ
海外ビジネス営業部
グループリーダー
葭葉 類
2011年プロシップ入社。2015年より海外ビジネス営業部に所属。日系企業の海外法人における固定資産管理業務の効率化と高度化を支援する提案を行っている。2016年にはタイで「経営の見える化セミナー」の講師を担当するなど、タイでの活動を精力的に行っている。


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