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タイ・ASEANの今がわかるビジネス経済情報誌アレイズ

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SBCS タイ経済概況

2020年のBOI投資申請、日本が首位奪還

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    タイ国家経済社会開発委員会(NESDC)は2月15日、2020年第4四半期の経済成長率が前年同期比4.2%減であったと発表。20年通年では前年比6.1%減であった。また、21年通年の経済成長率に関しては同2.5%~3.5%増との予測。なお、タイ中央銀行(BOT)は3月24日の金融政策委員会で21年の経済成長率について同3.0%増と予測している。

    タイの20年の統計数値が出揃いつつある。

    実質GDP成長率が対前年比6.1%減、自動車の生産台数が同29.1%減の142.7万台、外国人観光客数が同83.2%減の670万人、タイ投資委員会(BOI)への外国企業の投資申請金額が同54.2%減の2132億バーツ、公的債務の対GDP比が52.1%に上昇と各種統計はコロナ禍で散々な20年であったことを浮かび上がらせる。

    一方、タイ経済は20年後半から徐々に回復の兆しが見られている。さらに新型コロナウイルス感染拡大第2波の影響が第1波と比較して軽微であったことに加え、2月からワクチン接種が開始されたため、21年の統計数値は改善してくると期待している。

    今回は統計数値の中でも、投資について見てみたい。

    タイの場合は通常、海外直接投資(FDI)の推移はBOIへの投資申請件数と金額を見る。

    当方が記録を遡った限り確認できた1985年以降、金額では86年に米国、90年に香港、91年に欧州に、件数では88年に台湾に抜かれたことがあったが、それ以外、金額・件数ともに2017年まで日本が首位をキープしてきた。

    即ち、タイ政府にとって日本は投資面では一番のお客様だった訳だ。このためタイの中での日本のプレゼンスは極めて高く、日本側がタイ政府に投資環境の改善を訴えることも可能となっている。

    ところがここ数年、日本がトップを占めていた投資分野に変調が起きていた。タイへの世界からの投資件数に占める日本の割合は12年に55.1%を記録したのち減少傾向にあり、19年は22.9%となっていた。

    さらに、金額で18年に米国に、19年に中国に抜かれて両年共に2位となった(件数では1位)。その後、18年の米国からの大規模投資が21年にキャンセルとなり、遡及してBOIの申請から外されたため18年は日本が金額でも1位となったものの、将来の日本のプレゼンスを考えると不安を感じていたところである。

    20年の日本の投資は件数で前年比7.0%減の211件となったが、金額は同3.9%増の759億バーツとなった。なんと、日本の投資申請額はコロナ禍でも増加したのだ。

    他国はというとこれまで日本を猛追し、昨年追い越した中国が金額で87.7%減と落ち込みが激しく、日本は件数・金額ともにトップに返り咲いた。

    投資申請金額や順位というのは各案件の積み上げの数字であり、企業や個人で何とかできるものではない。ただ、上位にいることは国と国との関係およびそこから派生するメリットを考えたときに極めて重要となる。

    やはり2番より1番であった方が良い。

    寄稿者プロフィール
    • 長谷場 純一郎 プロフィール写真
    • SBCS Co., Ltd.
      Manager, Business Promotion Division
      長谷場 純一郎

      奈良県出身。2000年東京理科大学(物理学科)卒業。日本貿易振興機構(ジェトロ)入構。山形事務所などに勤務した後、10年チュラロンコン大学留学(タイ語研修)。12年から18年までジェトロ・バンコク勤務。19年5月より現職。

    SBCSは三井住友フィナンシャルグループが出資する、SMBCグループ企業です。1989年の設立以来、日系企業のお客さまのタイ事業を支援しております。

    【免責】当レポートに掲載されているあらゆる内容の無断転載・複製を禁じます。当レポートは単に情報提供を目的に作成されており、その正確性を当社及び情報提供元が保証するものではなく、また掲載された内容は経済情勢等の変化により変更される事があります。掲載情報は利用者の責任と判断でご利用頂き、また個別の案件につきましては法律・会計・税務等の各面の専門家にご相談下さるようお願い致します。万一、利用者が当情報の利用に関して損害を被った場合、当行及び情報提供元はその原因の如何を問わず賠償の責を負いません。

    2021年1月〜3月  経済・政治関連トピック

    経済

    国際協力銀行(JBIC)は、第32回目となる「2020年度わが国製造業企業の海外事業展開に関する調査報告」を1月15日に発表した。本調査は20年8月から11月にかけて行われ、530社から回答を得た。

    中期的な有望事業展開先国・地域(今後3年程度)では、タイは昨年度と同順位を維持し、中国、インド、ベトナムに続いて4位。当調査において、「タイは技術系人材の確保が課題として挙げられている点が、この国の産業基盤に対する期待値の高さを窺わせる」と評されている。またベトナムとタイを対比し、ベトナムでは安価な労働力に期待が集まる一方、タイでは産業集積が評価された。


    盤谷日本人商工会議所(JCC)は1月26日、20年下期日系企業景気動向調査の結果を発表。20年11月16日から12月18日にかけて会員企業1,702社を対象に調査を行い、607社(回答率35.7%)から回答を得た。

    同調査によれば、20年下期の業況感(DI値:業況が「上向いた」と回答した数から「悪化した」と回答した数を差し引いた値)見通しは、同年上半期対比で大幅に改善(▲64→6)となった。さらに21年上半期にかけても業況感は改善(6→14)する見通し。


    国家経済社会開発委員会(NESDC)が2月15日に発表した速報値によれば、20年第4四半期の経済成長率は前年同期比4.2%減で、第3四半期の同6.4%減からマイナス幅が縮小。20年通年は前年比6.1%減であった。21年については、世界経済・貿易量・内需の回復、政府刺激策等により前年からの反動でプラス転換し、前年比2.5%~3.5%増と予測している。

    ただし、新型コロナウイルスの感染状況、政治情勢の安定、打撃を受けた観光やサービス産業の回復に加え、輸出や民間投資の促進等が条件になる。また、20年通年のインフレ率は前年比0.8%減だった。21年は同1.0%~2.0%増が予測されている。


    タイ投資委員会(BOI)のドゥアンジャイ長官は2月10日、20年の投資申請統計を発表した。新規申請額は4,812億バーツで、前年比30%減となった。申請件数は同13%増の1,717件だった。産業別では電気・電子が最も多く503億バーツ、農産品・食品加工が411億バーツ、自動車・自動車部品が378億バーツと続いた。

    また新型コロナウイルス感染拡大に伴う需要の増加を受け、BOIが昨年4月に医療機器等の生産投資を促進する奨励策を打ち出したことで、医療産業への申請額が同2.6倍の223億バーツに拡大した。国・地域別の海外直接投資額では、日本が759億バーツ、211件で、17年以来首位に立った。


    タイ観光・スポーツ省の発表(速報値)によれば、20年の訪タイ外国人旅行者数は前年比83.2%減の670.2万人であり、観光収入は同86.6%減の3,320億バーツだった。新型コロナウイルス感染対策のための入国規制の影響を受け、4月から9月の間は旅行者数がゼロに落ち込み、大幅な減少となった。

    国別の旅行者数では中国が125万人と最多で、全体の19%を占めた。なお、日本からの旅行客数は32万人。

    NESDC経済予測値(21年2月15日発表)

    政治

    22年に開催予定のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議において議長国を務めるにあたり、タイ政府は1月18日にビデオ会議を実施した。協議の上、首脳会議においてタイは「自由で開かれた貿易および投資の促進」「デジタル社会」「健康と幸福」「食料安全保障」「包括的かつ持続的成長」について提言する予定。タイがAPEC首脳会議の議長国を務めるのは03年以来、19年ぶり。


    タイ政府は、核兵器の開発、保有、使用を全面禁止する初の条約である核兵器禁止条約に関する国連事務総長宛ての通知書を閣議承認した。同条約は20年10月に発効に必要な50ヵ国・地域(タイを含む)が批准したことを受け、1月22日に発効。条約参加国は発効から30日以内に国連に通知書を提出することになっている。なお、日本は同条約には参加していない。


    タイ政府は3月30日付で、タイ全土を対象とした非常事態宣言の延長を5月31日まで延長する旨を官報に掲載した。非常事態宣言の延長は11度目。

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