トヨタ水素フォークリフト、タイ初号機が上陸

地域統括代理店のToyota Material Handling Thailand(以下、TMHTH社)とタイ正規販売代理店のToyota Tsusho Forklift Thailand(以下、TTFL社)が新たに取り扱う、水素フォークリフトがタイに初上陸を果たした。2社は来たる水素社会(CO2排出量ゼロ)実現に向け、同製品の訴求を図る。
SDGsやカーボンニュートラル(CN)など環境対策が世界的に叫ばれる昨今、タイでも環境問題、特にCN実現に向けての取り組みが注目を集めている。タイ国内企業では太陽光パネル等設置、電気自動車(EV)化等の対策を講じる企業が増加。
フォークリフトのメーカーである豊田自動織機では55年前からすでにバッテリーフォークリフトを生産・販売するなど環境に配慮した取り組みを続けてきたが、タイ政府が目指すCO2排出量ゼロに貢献すべく、今回の水素フォークリフト導入に至った。
水素フォークリフト導入・実用化の実現性
日本における水素フォークリフトは、すでに商業化され、現在約350台が稼働している。実用化に向けて05年に燃料電池(FC)プロトタイプが完成した後、全国各地での実証実験を経て、16年に商業化に至ったという。タイでは水素供給インフラや各種制度などこれから整備されることが多いため、政府や関連企業と協業しながら、将来的な実用化を目指す。
※水素フォークリフトの輸入元はTMHTH社、販売・サービスはTTFL社が担当。
水素フォークリフトの特長
主な特長としては下記5つが挙げられる。
- CO2排出量ゼロ…カーボンニュートラルに貢献
- 8時間稼働…電動(鉛)フォークリフトと同等の稼働時間を実現
- 3分で充電完了…電動フォークリフトで必要な充電などによる非稼働時間を大幅に低減
- 非常時外部給電機能…AC100Vコンセント(オプション)があり、水素1充填あたり1kWh×15時間の電力供給が可能で、非常時の電力供給源として利用可能
- 何らかの影響で水素供給ができなくなった場合でも、鉛またはLi-ionバッテリーを搭載することでバッテリー車としてフォークリフトの継続使用が可能
今後、太陽光から水素を生成するなどサーキュラーエコノミー(循環型経済)に向け、TTFL社で太陽光パネルを設置予定。またFCモジュールの活用に向けマーケティング調査を実施し、将来的にはフォークリフト以外でのFC化の可能性も模索していく。
*12月16日〜18日にタイで行なわれる25時間レースの一つ「Idemitsu Super Turbo Thailand 2022」の会場横にブースを構え、トヨタ水素フォークリフトタイ初号機を展示予定。ぜひお越しの際はお立ち寄りください。
■製品詳細(動画)
https://www.youtube.com/watch?v=rc2fLw5Hu4w
■企業概要
Toyota Material Handling (Thailand) Co., Ltd.
豊田自動織機(60%)と豊田通商(40%)の合弁会社。2018年設立。
Toyota Tsusho Forklift (Thailand) Co., Ltd.
60年以上タイで販売・サービス実績のある正規代理店