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時事通信 特派員リポート

【シンガポール】シンガポール、生活費が世界一=大衆車で1500万円、駐在員もつらいよ

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       円安もあり、海外の物価の高さが話題になっている。アジアでは、シンガポールが代表格だろう。英調査会社エコノミスト・インテリジェンス・ユニット(EIU)の最新版「世界で最も生活費が高い都市」番付で、シンガポールと米ニューヨークが同率1位になった。ラーメン1杯2,000円は序の口。ビール小ジョッキが1,200円以上するので、酒で憂さ晴らしもしづらい。極め付きは車の高額さで、大衆車でも1,500万円近い。日本人駐在員の暮らしも圧迫されており、悲鳴の声が上がっている。(シンガポール支局 新井佳文)

      家賃、2年で1.5倍に

      まず負担が重いのが家賃だ。ある駐在員は都心部にあるコンドミニアムの3LDK物件を2年契約で月額5,500シンガポールドル(約55万円)で借りていたが、更新しようとしたら1.5倍の8,000ドルを提示され、面倒だが、郊外か狭い部屋に引っ越すことを決めた。会社からの補助の上限を大きく超えてしまうからだ。

      賃貸相場が高騰しており、2年更新時に1.3~1.5倍程度の値上げは普通だ。新型コロナウイルスが落ち着き、外国人が戻りつつあり賃貸ニーズが強い。中国から富裕層が脱出してきているほか、「アジアの金融ハブ」を競ってきた香港で“中国化”が進み、統制強化を嫌ってシンガポールに駐在員を移す欧米企業が多い。新築物件の建設もコロナで外国人作業員が流出したため大幅に遅れ、需給が逼迫。大家有利の貸し手市場となった。

      車は「世界一高い」とされる。日本なら300万円以下で買える「トヨタ・カローラ」が14万6,000ドルほどに跳ね上がる。道路の渋滞抑制のため国内に普及する台数を制限する政策が実施されており、車を保有するには、入札で価格が変動する自動車所有権証明書(COE)を取得しなければならない。COE相場は高騰しており、小型乗用車用でも8万ドル前後する。COEのほか、車両本体価格、輸入税、登録証、保険料、道路税などが加わる。

      「失われた30年」で所得逆転

      日本のバブル景気が崩壊した1990年代初め、日本人の所得水準はシンガポール人の約2倍で、シンガポールで割安と感じながら買い物できた。しかし、日本が「失われた30年」で賃金や物価が横ばいを続け、立場が逆転。シンガポールは開発独裁政府の巧みな政権運営で「アジアのハブ」として着実な成長を遂げ、所得も着実に伸びた。

      国際通貨基金(IMF)の最新統計で、シンガポールの1人当たり所得は平均7万9,580米ドル(約1,065万円)と世界屈指の高さ。日本(3万9,240米ドル)のちょうど2倍だ。所得が2倍なので、物価が2倍なのも無理はない。

      年収1,000万円と言っても、富裕層比率が高く、貧富の差が大きい社会なので、所得の中央値はずっと低い。飲食・小売りなどサービス業のスタッフは月収2,000~3,500シンガポールドルが一般的だ。建設現場やメイドとして働く外国人労働者はさらに薄給で、労働環境は過酷だ。そうした人々が物価高に苦しみながら経済を陰で支えている。

      人件費などのコスト高騰に日系企業も頭を悩ましている。トレンドとしては、海外赴任手当や帯同家族の補助費がかさむ駐在員を極力減らし、ローカル化する方向に向かっているようだ。大企業の駐在員からは、「帰国ですが、日本から後任はありません」とあいさつを受けることがよくある。企業撤退も相次ぐ。テレワークが普及し、駐在員を減らしやすくなったのも一因だろう。ビザ取得の要件も年々厳しくなっており、以前のような「外国人歓迎」のムードは薄れている。「駐在員天国シンガポール」は過去のものになりつつある印象だ。

      ※この記事は時事通信社の提供によるものです(2023年2月20日掲載)

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